ランウォークスタイル トレラン部と鉄平塾の原点
2020年07月29日「こんなとこで死んでたまるか、ボケェ~!」
その悲報を聞いた時、想像して止まなかったイメージが頭から離れませんでした。
僕にとってはこの言葉が思い浮かぶイメージ通りの人で、本当に生きることに熱く、真っ直ぐで何事も義理人情が厚い人柄でした。
それゆえ、周りを引き付け魅了し、カリスマ的存在があったのでしょう。
まだトレイルランニングと言う言葉ができる前から、いつ山を走り始めたか本人も定かではなく20年以上は経験があるかと思います。
そんな影響力のある方を亡くしてしまったのは、非常に残念であります。
ここに心よりご冥福をお見舞い申し上げたいと想います。
そんなRUN-WALK Style (RWS) の故 三浦誠司店長と鉄平の物語を興味ある人に読んでもらえたら幸いです。
僕ができることは、これを美談ではなく、危機感持って自然と対峙するアウトドアスポーツの本当に大切なところを、僕の師匠から全身全霊受け継いで伝え続けることであると思います。
◎トレイルランニングを始めたキッカケ
僕がトレイルランニングを始めたのは、『2015年』です。
その年にはいろんなきっかけと出会いが詰まった1年でした。
ランニングを2010年に初めて5年、マラソンタイム(3時間28分)で頭打ちして気晴らしに出た京都トレイルの大会で上位になることができ、トレランに向いているのでは?と少し思った年始め。
この年の3月に「キヤノンボール」に出るため、「トレイルランニング」に関わる店舗を回ったのを今でも覚えています。
山の駅、サロモン神戸、ソトアソ、
そして、RUN-WALK Style
◎ランウォークスタイルのトレラン部
そして、4月に目に留まったのが、『RUN-WALK Style トレラン部』
通称「大人の部活」と呼ばれ、大の大人が一人の講師にガンガン鍛えられ追い込まれる激しい部活…
という印象が強いですが(笑)、参加した僕にはとても理にかなった練習会だと感じました。
※初めての生駒~飯森山錬
大人になってから、部活と言う集団の中で同じ目標に向かって鍛錬する団体は、トップスポーツの団体に所属していないとなかなかありません。
それを体感でき、一緒にゼェハァして汗かいて鍛錬した仲間と熱い絆が生まれます。
稀に熱い鞭(激励と呼ばせて頂く)がありますが、終わりにはちゃんと飴(お店の割引券)が貰えます(笑)
そんな環境だからこそ鍛錬でき、成長を確かめ合え、結果に繋がってくるんだと思います。
そんな場を与えた頂いた『トレラン部』と店長に感謝です☆
そして、その後のキックオフパーティで色んな人と交流でき、今でもトレラン部仲間と繋がっています。
※画像出展 RUN-WALK Style
その時にたまたま、高井悟郎 さんとお話しさせて頂き、その後の2次会も連れて行ってもらった記憶が鮮明に覚えています。
もちろん、三浦店長も同席しており、恐らくコアなメンバーの中で恐縮でしたが少しお話させて頂きました。
こういう仲間内で集まる時は本当に気さくな明るいお人柄ですね。不愛想で寡黙なイメージはありますが、僕と同じでコミュニケーション苦手で人見知りするのでしょう。心の芯は熱く、考えや話もしっかりした人です。
その流れで僕の「公式認定」(京都トレラン、キャノン、中山縦走などは除く)の、初のトレランレースとして『希望が丘トレイルランニングレース』に、比叡山レースの足慣らしとして出走しました♪
※画像出展 Kibougaoka Single Tracks+
この大会はRUN-WALK Styleがバックアップしてに、高井さんが実行委員長の実行委員会で手作りで作られた公式のトレラン大会です☆
そして、その1週間後、、、
◎伝説の第1回比叡山トレラン大会
そんな中で、今でも関西のビックトレランレース『比叡山インターナショナルトレイルラン』に出場しました!
稀に見る5月の灼熱の暑さで、完走率が40%と言われる中で、ランウォークの声援も受けて、なんとかギリ7時間代で無事完走できました。
※スタッフに撮ってもらった写真(サチコさんか?)
三浦店長は1時間以上も速くゴールしており、6位入賞と立派な成績を残されていました。
第1回比叡山レース結果
※この時を振り返ってみると制限時間以内で完走している選手を見ても相当たるメンバーです
半面、僕の過酷な悪条件での強さも際立つでしょう
ランウォークのトレラン部とこの比叡山レースが、今の僕を作ったと言っても過言ではありません⛰
◎トレラン部の部活生活
比叡山のレースの興奮も冷め山らぬ中、トレラン部の部活生活も佳境に入ってきました。
毎週のように山に入り走っては鍛え、走っては怒鳴られ、朝から夕暮れまで同じ仲間と切磋琢磨していました。
三浦店長は特に山を走るテクニックを伝える講師ではありませんでした。
とにかく、走り続けることを、走り続ける環境を与え、一人では絶対できない練習を叩きこむように繰り返しました。
それでも僕は勉強熱心だったのか、店長に技術的な質問を何度もしました。
登りにくい岩場では、「足だけに頼ろうとせず、体勢が大事で両手もうまく使う」
登りのフォームは「腰に紐を付けられて、前から引っ張られているような感覚で身体で走る」
今でも、これらの教えは僕の鉄平塾に活きています。
僕の理論は、サロモン神戸の小出選手、菅谷選手、ソトアソの大杉選手、山の駅の車選手、そしてランウォークの三浦選手の走り方と言葉を総合して僕なりの理論で落とし込んだ集大成なのです☆
◎トレイルランニングのリスクと装備
トレイルランニングと言うアクティビティ、スポーツは自然の中で行うスポーツで、都会の道路で行うランニング(マラソン競技)とは似て非なるものです。
自然の中で人工に作られた道を走り、自然と作られた環境に感謝して走るべきだと思います。
三浦店長は特に山での装備にうるさい人でした。
ペットボトル1つで山を走る人を見るもんなら厳しい声を上げます。
それは当たり前の話で、自分の身体1つで自然の山と対峙することは危険と隣り合わせなのです。
街中のロードでは楽にペットボトルを装着してでも走れる『YURENIKUI』というアイテムが三浦店長によって開発、販売されています。
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リスクを負わないために、だからこそ、そうならないための細心の準備が必要なんですね。
トレイルランニングに行くときにはこんなモン持っていきます
※店長ブログ
三浦店長は京都で行われたトレイルランニングについて考える会の主催者側にも立って世に発信していました。
僕はそれに感銘を受け、今でも大切にしています。
トレイルランニング2019京都フォーラム参加しての感想レポート
『鉄平塾』は決して、商売のため金儲けのためにやってるわけじゃありません。
(特に今年からのに来ていただいた方には分かるかと思いますが)
もちろんランウォークだって他のトレランを扱う店舗も、それだけではない。
我武者羅に、ただひたすら足元だけしか見ずに、必死にもがいて山を走っていたらリスクが大きすぎるんです。
レースで速く走るだけが目的ではないはずです。
だから、必死でついていかないといけない練習会ではなく、いかに楽に走って無理をせず全体を見て効率よく山を走れるか。
そうすれば、必死にならず周りの地形や景色がよく見え、安全に余裕を持って走れるようになります。
「鉄平塾」はそれを教えているのです☆
そして、最低限の事前準備には自然に対する天候や地形の勉強と予測、そして対処法も大切です。
天気を読む(天気図、雨雲レーダー)、地図を読む(トレイル道、尾根、谷、沢、堤、その繋がり)
豪雨や長雨、台風が来たら山はどうなるかを知る。
山は一瞬にして状況が変わるからこそ、常に雨雲レーダーと地形を読んで、判断次第では途中で中断して公共交通機関で安全に変える選択が必要でしょう。
◎水害に対するリスクを十分に考える
5年前も灼熱の夏にはドボン(沢の水に入ること)は付きものでした。
ただ、川や滝つぼなどの危険なところに入るようなことをした記憶はありません。
定かではないからこそ、憶測で勝手な推測をするのではなく(ニュースで伝えられていることですら違うことを言ってるかも)、自然とはどういう変化を及ぼすのか充分熟知した上でリスクをあまり追わず、準備をして遊ばせてもらう心構えが大切かと思います。
川のリスクについて理解をするということ〜トレイルランナーも知っておきたい最低限の知識
僕らは自然と人工の「間」で遊ばせてもらってることを肝に命じる必要があると思います。
元々あった広大な自然(隆起や噴火、雨や流水によって山ができている)を人間たちが切り開いて(昔は修業のため、今はアクティビティのため)、整備されていることを忘れてはいけません。
僕も大きくは発信していませんが、山の地形や整備の勉強をし、近くの山(猪名川町)や六甲(森の世話人)等での微力ながら活動に協力しています。
僕は決して、山を整備する側に回れとも言いませんが、少なくともそういう人たちがいるから僕たちは山で遊べているんだ、という感謝の気持ちが最低限必要だと思います☆
◎これからのトレイルランニング界にできること
僕は故三浦誠司店長からトレランのそして人生の生き方の様々なことを学びました。
彼は言っていました、「トレイルは人生」だと。
登山は人生だとも似てますが、僕なりの見解もあります。
恐らく店長は、これから本当に色んなことをしたかったんだと思います。
そんな、沢山のチャレンジが、これからできなくなることが悔しい
僕たちは、生きてるからこそ、チャレンジもできます。
「失敗しても、またチャレンジすれば良いんだよ」
そう、教えてくれた気がします。
彼の言葉を借りるならば、
「悔しい」と感じれるのは、生きていることなんだと…
ならば、我々その教えを教わったトレイルランナーたちこそ、彼の芯の想いを伝え続けるべきではないか?
僕は「トレラン部一期生」ですが、その年の9月に長男が生まれたため、苦渋の決断で翌年以降の参加を見送っていました。
店長から直接、それからの教えやアドバイスをもらったことは一度もありません。
鉄平塾に対する運営や発信について、もっとアドバイスを直接貰っていたらよかったと、今となって後悔しています。お世話になったからこそ、ランウォークにももっと関わりたかった。。。これからもかかわれるなら力になりたい。
店に行ったり、天王寺七坂や山でも奥さんに会って快い対応をして頂いたことは何度もありますが。
しかし、トレラン部の時に、「通常の練習会はお前には緩いから朝練から来い、鍛えたる!」
「お前はもっとできるはずや!」って叱咤激励をしてもらった言葉を、今でも心の軸にして僕は強く前へ進んでいます。
こんな素晴らしい師匠を僕たちは突然、失ってしまった。だからこそ、僕たちは必ず彼の死を無駄にしてはいけないのです。
これからも、なんのマナーやリスク、装備の知識もないまま山に気軽に走りに来る人もいるでしょう。
悪天候のリスクも大丈夫だろうと経験のない判断で行く人も出るでしょう。
決して、今後も無くなることはないのです。
だからこそ、そんなことを考える情報と場の提供を続けるが大切なのではないでしょうか?
そういうことを伝えている場もあります。
※『トレラン鉄平塾』に参加したい人は、Facebookで「鉄平塾」を検索、もしくは、
にアクセス。
それがこれからのトレイルランニング界の発展や浸透、自然に対峙する大切なことを忘れないことに繋がると信じていきます。
改めて、故三浦誠司氏のご冥福を心から謹んで哀悼の意を表したいと存じます。
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