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【鉄平塾】トレイルランニング走り方教室と健康法の学びブログ

〜運動と健康の理論的な研究~

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キャノンボールパワー満身創痍の参戦完走記 前編

2019年03月28日
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※超長文なので、お暇な時に♪

これは伝説のバディに匹敵する大作になるかも。

六甲縦走キャノンボールの往復パワーバディ15時間完走体験記

 

※2019年3月

◎お祭りの始まり

【第一章一部】

(キャノンボールパワーの出発地須磨浦公園へ)

3月の後半と言うのに、季節外れの寒の戻りで、少し肌寒い夜。長旅の荷物を背負って、自宅を出発して電車に乗り込む。

土曜日の夜7時、世間的にはお出掛けしている人や春休みからか学生や家族連れが車内に多く見られる。

「あ~、こんな時に夜中に山を走るとか、世間一般では考えられないんだろうな~」

と。遠くに車窓から流れて見える、宝塚からの六甲山をちらっと見て一人、荷物を整理しながら思う。

だが、西宮北口、三宮、新開地、山陽須磨と、会場に向かう度に世間とはかけ離れた華やかな格好をした熱気的な人が溢れてきた。

しかし、僕は社内でも普段着なので、世間に溶け込んでいる。笑

今回の普段着テーマは「サラリーマンのクールビズ」スタイル。

さぶ過ぎた。笑

そう、この日は関西や神戸では有名な六甲縦走路を走る『キャノンボール』と言う大会に向かっていた。

須磨浦公園から六甲山系の山々を超え、通常約45㎞、累積標高約2500mを1日で走破する。

この大会は10年前に始まり、春秋合わせて今回がちょうど20回目の記念すべき大会だった。

僕はこの記念すべき大会で、六甲縦走を往復する『パワー』の部に申し込んだ。

と言うのも、今年4月21日に行なわれる『水都大阪ウルトラマラニック100km』に出走する長時間動き続ける練習の一環として、往復のパワーの部を走ることにした。

過去にはスピード(片道)を4回、ナイトスピード(夜片道)を1回、パワー(往復)を1回、バディ(男女ペア往復)1回で、今回が自身8回目のキャノンボールである。

長時間動き続ける練習と課して、「往路7時間+復路7時間=合計14時間」のペース走をする目的で参加した。

しかしながら、今回は万全の体調とはいかず、道中もトラブルだらけで散々な結果であった。

前日の季節外れともいえる寒の戻りで、「あれ?なんか体調が少しおかしいぞ?」と感じて、対策はしたものの、当日の昼は息子と阪堺電車のちんちん電車のツアーに参加した。

そこでは控えめにしたのだが、日本酒を4種類ほどコップ4杯を車窓からの風景と喝采の社内の中で、美味しくいただく。

夜は、やや体温の高揚の微熱を感じながら、栄養はちゃんと取って会場へ向かった。
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【第一章二部】

◎旅にトラブルは付き物

(須磨浦公園から出発)

須磨浦公園について、電車を降りると駅前はすでにカラフルな非常識(夜に山を走る準備をしている喝采な大集団。笑)な人で溢れ返っていた。

すぐにトイレを済ませ、ゴール後の着替え等をビニール袋に入れて、公園の隅に置いて、『みなとの森WIND』の集合場所へ。

この前の打ち上げのメンバーも多く、ワイワイと写真を撮って、あとは会場をウロウロして挨拶回り。

『チームさけもん』のメンバーや『酒猿組』の速い人や、他にもトレランを通じて出会った多くの仲間に出会うことが出来た。

Facebookでも友達が多く、ブログを書いているからか、こちらはあんまり認識ない人にもかなり声を掛けられる。笑

集合場所に戻り、相方を探しているが見付からず。

今回、長旅のペース走をするということで、一人では夜の山はとても淋しく辛いため、バディと言うかパートナーを務めてもらう『山の駅』仲間のグッチさんにお願いした。

「もちろん、鉄平さんのためなら、なんなりと。良いですね~、どこまでもご一緒します!」と信頼できるパートナー

だがしかし、ここでディスる(相手をさげすむ)ようで申し訳ないが、あとで出てくる話だが、これが一つの失敗。笑

いよいよスタート10分前となった時、今回最大のトラブルが発生。ナイトトレイルなので、万全にヘッドライト(ヘッデン)を新調したわけだが、入れていたはずのところにそれが無い……

辺りを駆けずり回って、受け付けやいろんな人に聞いて周ったが見付からず、スタート5分前ですでに恒例の儀式が始まって人が並んでいる。

仕方がない、DNSと言うわけにはいかず、はぐれた相方に電話して、スタート横の公園に来てもらい、グッチさんのヘッデンのサポートを受けながら前半を走ることに。

幸いにも、須磨浦公園からのスタートは明るく、満月に近いため月明かりがあり、人が多く渋滞しているので周りの多くのランナーのヘッデンで周りが見える。

だが、通常、公式レースでは無論、失格である。そうは言っても、キャノンボールと言うお祭りの草レース、『死なない』には注力して、途中のローソンでライトを買おうと、グッチさんのすぐ後ろにつけて須磨浦公園を後に階段を上って行った。

今回はペースコントロールは自分で行い、相方には後ろにずっと付いてきてもらうつもりだった。いつもは先導で誰かのペースに合わせてコントロールすることが多いのだが、今回は仕方なく後ろに付いた。

しかし、直ぐに嫌な違和感が。前半は抑えるつもりでいたのに、周りのペースに合わせて?競って?か、ハイペースで前を進んでいく。

何回か速いですよ、と声をかけたのだが、「分かりました♪」と返事はあるが、効果は見られない。ただのしかばねのようだ……

旗振山へ向かう最後の登りで我果敢にと、走って登っていく、後ろも振り返らずに。僕はあえて、熊鈴をつけて音が鳴っているのに、眼の前から離れていく。

山頂の方まで行ってようやく、後ろを見たが、『振り返えれば、奴がいない』っという様な顔をしていた。

「グッチさん、人に合わせて走れないんですか?」

と、分かっていたけど、恐る恐る聞くと。

「すいません!忘れていました~(超笑顔)」

ダメだこりゃ……笑

旗振山からは慎重に後ろに付け、間を開けないように付いていくと、初っ端からトレイルの分かれ道で右へ行くところを左へ行く前の集団が。

グッチさんも構わず付いて行きかけるから「右ですよ!」と後ろから指示。これはどちらが先導でペーサー?

するとその先で、「さっきのとこでロストした!」とのんちゃん、よしかちゃんがいて、なかなかのハイペースで序盤からいってるんやな~って思った。

それに、この辺りは女子トップクラスの人たちが沢山いてハイペースの流れが続いていた。

何故かと感じていたら、パワーのゼッケン「赤」とは別にナイトスピードのゼッケン「濃桃」の人達が大勢いた。

そうか、片道の人達の序盤からのハイペースで、パワーの人も引きずられているのかと、以前まではゆっくりなパワーのスタートも速かった。

ペースの確認とバディ(船頭)のコントロールに注視しなければならない。

しかし、高倉台の住宅地に入りロードになると周りのペースはさらに上がる。これには付いて行ってはいけないと感じて抑えると、また二人の船は間を開いて離れて離脱していく。

歩道橋の手前になって、振り返って僕を探してて、追いついたら本日2回目の「忘れてました!(超笑顔)」

400階段は渋滞してるのでハイペースにはならず、手すりを使って足を温存しながらゆっくりの登る。

振り返るとおらが茶屋の下りのヘッデンが光の帯となって綺麗だ。しかし、僕自身には照らす明かりが無い。グッチさんの笑顔には時より照らされるが。

階段を上りきったところで、「忘れてましたオジサン」の様子がなんか変です……

「鉄平さん!ヘッデンの電池が切れてきたんで、交換していいですか?」

ぇ??、ここで?スタートから1時間も経ってないのに?なんで?

聞くと安モンのヘッデンと電池で数時間しかもたないとかで、

「電池はめっちゃ持ってるんですよ(超笑顔)」

いやいや、そういう問題ではない。僕でさえも、夜9時から朝の6時まで10時間以上は持つヘッデンに、新品の一番高いアルカリ電池を買ってきたのに(スタートで落としたが……)

いつも言っているのだが、「トレランは総合力」 それはロングトレイルともなればなおさら、準備や装備には余念を抜いてはならない(ヘッデン落とした奴が言うな)

しかし、長旅もトラブルも付き物で、リスク対策やトラブル対応力も重要である。

ペースは淀みなく流れ、狭くて暗いシングルトラックが続くので、「歩きながら替えてくださいよ」と多少キツいことを言ったけど、電池を探してカバンをあさりまくっている。

いやいや、電池を変えるつもりなら一番取りやすいとこに常備して把握していないのか!と、

「鉄平さん!止まって替えます!」

って真っ暗闇のトレイルの中で、コースから外れて替えようと止まる。

仕方がない、この先この相方ではこれが続くので、置いて行こうと決意。

コンビニまではまだ列があるから周りに付いて行こうと、約1時間弱、約4キロ。

バディ解散。

【第一部第三章】

◎救世主現る

(須磨アルプスで幸運の仲間)

栂尾山を越えるとこで、目の前にライトを照らせないからか、左太ももを何かに強打!木か岩か分からなかったが、大腿直筋のど真ん中を打撲。

これはライトないとまずいと感じながら進んでいると、私市の武器屋の番人が!

ハイペースやったのか休憩して、みんなに声をかけている。

少し話して、あることに気が付いた!この人ならハンドライトを絶対持っている!

「スタート会場でヘッデン落として、頼りにしていた相方も電池切れで……」

と、非情な交渉の上、貴重なハンドライトをゲット☆

これ、かなり高級なやつだと使ってすぐわかる代物、さすが武器屋、溢れんばかりの感謝を胸いっぱいに込め先を進む。

この電池が切れたらまずいな(恐らく高級品で武器屋さんのことだからそんなことないが)と、登りや周りの明かりで見える時はハンドライトは消して節約。

しかし、ハンドライトは使ったことがこれまでに一度もなく、その操作性と手の不自由さに苦労した。

ヘッデンなら頭についているので、首を動かせば照らす方向を変えれるし、両手は自由だ。

でも、ハンドライトの場合、片手で持ちながら、視野も狭いので照らす方向を小刻みに変えて走らなければならないのである。

そして、僕のトレランスタイルでは手を自由に使うタイプで、登りも下りもバランスを取ったり、木や岩をつかんで進む。

かの有名な手提げスタイルのハッシーさんの凄さが分かった。笑

スイッチのオンオフ、物をつかむため左右の手持ちの入れ替え、細かな照射調節、思うように足を置けない、等の不慣れな点で思った以上の身体と頭の浪費と消耗。

いつも軽快な馬の背も苦労して、楽しむ余裕もなく東山へ。

ここから横尾の住宅街へ降りる通常ルートは急な下りにくい階段が続くので、このハンドライトでは不利だと思い、右側の走りやすいトレイルと階段ルートを選択。

すると、後ろに付いて来る人が4,5人いるのが見えたのだが、構わずマイペースで下っていく。

この道を知らなかったら、引き離されたらロストするだろうなと思っていたけど、後ろを引き離したと思ったら、一つだけライトがずっと付いてくる。

横尾の住宅街に降りて、この下りで着いてこれる人は誰だ?と振り返ると、

「鉄平さんですよね!その私服っぽい姿で分かりました、いつもと違う道だと気付いたけど、何とか付いて行かないとって必死で後を追いかけました!」

有名なシガウマラのメンバーでもあり、『新春音羽山バーティカル弾丸競争』で同じ組で走ったくらちゃん。

その時は2分差の完敗で、ロードもウルトラトレイルも強い同世代のお方。

「いつもブログでめっちゃ勉強させていただいてます!」

とブログのことやトレランのことを色々話ながら、ショートカット道へ行くとこんな道あるんですか!と感動のご様子。笑

元々、走る前に片道7時間くらいでと言う何人かの人がいて、「ペースが合うならご一緒しましょ」と話していた。

ここでお互い行けるところまで一緒に行こうと、「仲間になりたそうにこちらを見ている」気がしたので、新たなバディを結成!

【第一部第四章】

◎ツワモノ仲間とのナイトツアー

(高取山から中間地点の市ガ原へ)

あらたな仲間との高揚感でナイトトレイルも楽しくなってきて、妙法寺で応援のルミさんと出会う。

(スタート会場でもいて、家が長田でここまで来たとかで、行動力と仲間思いがステキ☆)

当然、「グッチさんは?」と言う話になり、「かくかくしかじかです」と話すと、「ぐっちさんにヘッデン貸します」ってことでお任せを。

ローソンは予定してたけど、流れでパスしてショートカットで高取山へ。

この辺りでもツワモノの女性がチラホラといて、高取山の登りを軽く登っていく女性がいたり、住宅地で迷子になっている女性がいたり、関西でも有数のランナーが前後に。

トレランで強い女性トップランナーは、皆さん分かる人にはお分かりだと思うけど、小さくて細くて軽くて、しかも登りはみんな僕より速い。

高取山頂上手前でかの有名な鉄板屋さんが前に出てきて、先頭を歩く。

「レッドリリーフランナー」で、「ここは走ってはいけないゾー」と背中で語っておられる。笑

お互い有名で共通の知り合いも多いのだが、実はちゃんと喋ったことも一緒に走ったことも無かった。

「どこからどこまで歩行区間なんですか~?」

「高取山のトレイルの入り口からトレイルの出口までですよ~」

と教えてもらいながら、途中のトイレで一旦くらちゃんと休憩。

その広場では56さんとみかもんさんと出会って、

「これが7時間ペースですか!速いですよね~」

って健闘をたたえ合う。

丸山の市街地に降りて、信号を渡ると何やら人だかりが。

鉄板屋さんの仲間の私設エイドらしく、温かいものを頂く。冷える夜と、風邪気味の身体には染み渡る。

丸山の市街地はロードの登りがきつくて、スピードなら走るけどパワーなら当然歩くのに、ここを走って登る女性が数人。なんだこの人たちは!

でも、道をあまり知らない様子で、不安な顔してたから、付いて来ます?と街中を案内。鵯越の分かるとこに来たら颯爽と消えていきました。笑

菊水山では淡々と登って特にこれと言ったネタもないのでスルー笑

ただ、下りはハンドライトながら少し攻めて颯爽と下る。集団を引き離すけど、くらちゃんだけはピタッと付いて来るから流石だ!

天王谷橋を越えて、高取山の登りで見た速い女性が。よく見ると『深北WIND』でも有名なサブスリー女性ランナー

更によく見ると、ゼッケンが『B002』でバディーだ!往復男女ペアの部だ!速い!流石!

今回のゼッケンは赤、濃桃、紫、でなんか色がハッキリと違いが見分けにくかったから誰がどのカテゴリーか分かりにくかった。

バディの相方も凄いお方で、ちょいちょい話しながら山頂まで。

下りは置いて行って、颯爽と下ってると、右足を思いっきり捻挫!

栂尾山での左足太ももの強打が痛くて、右足を舵取りで慣れないハンドライトで颯爽と走ってたからか。

くらちゃんもその様子を直視したようで、

「大丈夫ですか?無理そうなら一緒に止まって様子見ましょう」

とお声をかけてもらうけど、

「たぶん行けそうです、僕は捻挫で重症化しないので。笑」

と、捻挫の話や怪我しない走り方をしながら太龍寺のエイドへ。

そこでようやく、楽しみにしてた日本の蒸発ドリンクと温かいスープを美味しくいただく。

このエイドでもう一人のツワモノの仲間の森ちゃんさんが追い付いて来られて、

「言うてたように、市が原でちょうど3時間半ですね」

と、この方も同じ7時間ペースで行く約束だった。

このエイドでくらちゃんは「先に行っといてください」と分かれ、くっすんバディと3人でロードを一緒に下る。

市ガ原ではトイレに行ったので、ここからの登りでは一人で行くことになった。
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【第一部第五章】

◎かっ飛ばす一人の夜

(市ガ原から折り返し地点の塩平寺広場へ)

少し淋しく、月明かりの山の中を淡々と登っていく。(少し長くなってきたのでカット)

山頂前の私設天狗エイドで、樽の蒸発液を頂いて温まる。

掬星台について、あずま屋エイドで麦蒸発液を飲みながらのんびりしていると、またたくさんの仲間と合流。56さん、みかもんさん、森ちゃんさん、そしてくらちゃんも。でも、くっすんはまだ到着していないようだ。

ワイワイして、エイドはまたばらばらに出発。

調子も良くなってきて、この辺りから寒くて冷えそうだったので、ロードはペースアップ!

幸いにも心拍を上げて身体を温めたことと、風邪気味の微熱で体温が高い状態で寒さは感じなかった。

颯爽と夜中の雪が積もった山々の霧の寒い中を、爆音で走る車を避けながら駆け抜ける。ロードの下りは少し左太ももと右足首が次第に痛み出す。

一気に駆け抜け(カット)、ガーデンテラスの前でくらちゃんが追い付いてきた。結構飛ばしたのに、さすがこの人速い!

でも、ガーデンテラスで真っ直ぐ行ったけど、僕は左のロードに下って分かれる。どこかで会うだろうと思ったけど、この先は追い付かずに、どこでも会わずに宝塚の塩平寺下の広場まで。

一軒茶屋で6時間だったので、7時間切れるかな?と東縦走路の下りは飛ばして、抜かしまくるとまた右足首捻挫。ま、いっかと気にせず下り、最後のロードに出たとこでドンちゃんが!

7時間切りでとは言うてたものの、道中一度も会わずに、ここで、もはや折り返してくるとは流石!

そして、階段を下りて広場に付いたら7時間切れず、一軒茶屋からは1時間4分かかって、往路は7時間4分でした。

往路だけでこんなに長くなりました(笑)

折り返し休憩所からの後半は下の【後編】で!

面白い!と思っていただけた方、お楽しみに🎵

【キャノンボールパワー2019満身創痍の参戦完走記】後編

 

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