トレイルランニングでは足首の柔らかさは登りや下りの使い方で重要
2019年08月27日普段の生活でも、足首が硬くてしゃがむと踵が浮いて安定しない、って人も多いと思います。 和式トイレで座って安定できないですよね。
通常のロードランニングでは、そこまで足首の硬さは重要ではありませんが、トレランでは登りと下りで足首の硬さは不利で、柔らかさが利点になる場合があります。
※2023年5月更新
◎足首の柔らかさと登り
登りは後ろに着いている足よりも、前に着く足の方が高くなります。
だから、基本的に前足はつま先から着いて、踵が浮いた状態になると思います。
足首が硬い人は足首の可動域が少ないため、そうならざるを得ないのでつま先立ちで登るしかなくなります。
そうなると、ふくらはぎがかなりピンッと張った状態になり、負担がかなり掛かります。
逆に足首が柔らかい人は、設置した前足の足首に角度を小さくできるため、足裏全体で地面を捕らえることができます。
そうするとふくらはぎに負担が掛からなくなるので、登りに力任せにならなくなります。
足首が柔らかい人は、おそらくふくらはぎも柔らかいはずです。
もっと言えば、股関節も柔らかいと思います。 足首が硬い人は股関節が硬いんですね。 これは後に述べます。
◎足首の柔らかさと下り
下りも登りと同様、前足の着地は後ろ足の接地面より高さが変わり、低くなります。
そうすると前足はつま先から地面を捕らえに行くと思いますが、ここで足首が硬い人は可動域が小さくて着地の衝撃を吸収できません。
着いたつま先の状態で足首は固定のままなので、ふくらはぎや太もも股関節にダメージが大きくなります。
逆に足首が柔らかい人はどうしているのか? 前足を地面で捉えた瞬間、サスペンションのように足首を曲げて衝撃を吸収しているのです。
それは連動するように、足首⇒膝⇒股関節と曲げていくことで全体的に衝撃を吸収していきます。
足が硬くて突っ張った状態で地面の着地を脚全体で受けるか、柔らかい全身がばねのような状態で着地の衝撃を吸収するか、違いは一目瞭然ですね。
これが、長いトレイルやロードの下りなら、かなり筋肉の疲労に差が大きく出てしまうのです。
◎足首の柔らかさは股関節からきている
このように、足首が硬いとトレランではかなり不利です。
足首が柔らかくなるように、足首周りのストレッチをしている人も多いと思います。
しゃがんで足首を曲げて伸ばしたり、座って足首をクルクル回したり。
それももちろん効果はあるのですが、根本的なところは実は股関節にあるのです。 足首が硬い原因は股関節が硬いからです。
筋肉や筋膜は繋がっていて、連動しているのですね。
具体的には股関節と脚の付け根を繋いでいる大腰筋という筋肉が硬いのです。
腹筋の下に腸腰筋という筋肉が表面上にありますが、その奥にある背骨と股関節と脚の付け根を繋ぐ重要なインナーマッスルです。
だから、股関節が硬い人はこの筋肉が根本的に硬いんですね。
というか、使ってないから硬くなるのです。 表面上にある太ももの前にある筋肉のみを使っているのですね。
これをアウターマッスルと言います。
脂肪も表面だけでなく、体の中にもあるように、筋肉も身体の中のインナーマッスルが大切になってきます。
表面上の筋肉は動きにも限界があるため、股関節の動きを作るのにもインナーマッスルの動きが可動域を上げるのです。
股関節の可動域が狭いから、それに付随する連動した筋肉の動きも悪くなってしまってパフォーマンスが低下するのです。
実際には股関節周りの筋肉の硬さが、太もも周りの筋肉の動きを妨げ、それに繋がっているふくらはぎや前脛骨筋(シンスプリントになる筋肉)も硬くなります。
しゃがむとどこの筋肉が突っ張るか分かると思いますが、この二つの筋肉が硬いから足首が曲がらないのです。
◎股関節を柔らかくするには
だから、これらの一連の症状を解決するためには、足首を柔らかくしようと努力しても根本的なところが解決できていないのですね。
つまり、元となる股関節周りの筋肉である大腰筋の硬さを緩めることが必要なのです。
まずは、前脛骨筋やふくらはぎの筋肉をストレッチやもんだりして柔らかくします。
脛(スネ)の骨の外側にある筋肉をほぐします。 また、その骨の上の方(膝の少し下)に出っ張った骨(足三里と呼ばれるツボ)を指圧します。
それを行った上で、肩幅以上に足を開いて中腰の姿勢で腰を前後左右、そして回転して動かします。
そうすることでインナーマッスルである大腰筋が使われます。
これはもしバランスボールがあると効果的で、その上に座って同じような動きをすることでも大腰筋は刺激されて柔らかくなります。
僕は基礎トレーニングとして、家でこれを良くやっています。
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