ニオイを検知する医療向けの生体ガスの発生を測定するガスセンサ原理
2018年12月20日
人間には五感があります。
その中でも、視覚(目)、聴覚(耳)、触覚(肌)では、それぞれの器官で光量(波長)、音量(周波数)、圧力や温度などの物理量を測定してその量や性質を感じています。
したがって、それらの物理量を測るセンサは、光センサ、音量センサ、温度センサとして応用化されて僕らの生活にも様々なセンサが取り入れられています。
一般的にセンサーと言えば、これらのような自動ドアの人検知や、バーコードリーダーやスマホのタッチパネルなどが思い浮かびます。
しかし、味覚(舌)、嗅覚(鼻)は物理量ではなく化学量を検知していますので、非常に高度な機能や技術が必要になってきます。
人間が他の動物に劣っている部分と言えばこの二つの機能でもありますね。
この臭いと味を検知するセンサを応用するのはとても難しい技術が必要になっています。
とくに、様々な化学物質からなる気体のガスである臭い(匂い)はとても複雑な検知メカニズムとなっています。
◎アルコールセンサ
代表的なニオイセンサと言えば、アルコールセンサです。
もちろんこれは、お酒を飲んだかをチェックするための呼気から発するアルコールを検知するためのセンサです。
お酒を飲めば、どんだけ隠しても、飲んだアルコールが蒸発する量からバレてしまいます。
アルコールセンサの原理は、ガスが半導体や触媒電極上で反応して得られる抵抗や電流の変化を電圧として出力しています。
ただし、臭いの発するガスと言うのは多種多様の種類があり、アルコール(特にエタノール)に特化したガスセンサにするのは非常に難しいのです。
◎ニオイセンサ
アルコールセンサを応用して、他のガスに特化した、選択制(特定のガスを高出力する)を持ったガスセンサが最近開発されてきました。
臭いのする化合物の主なガスは、S(硫黄系)、N(窒素系)、ハロゲン系(塩素、臭素、等)、ベンゼン環(芳香族系)です。
腐卵臭(硫化水素H2S)や尿(アンモニアNH3)などのガスは比較的、選択的に検知しやすいのです。
1つのガスに特化したガスセンサもあり、総合的なニオイの総量として数値を出す臭いセンサーもあります。
しかしながら、ベンゼン環を有した芳香族系の化合物は無数にあり、それらを識別するのは非常に困難です。
人間の感覚では、なんかの臭いだと、過去の記憶から位置させたりする能力がありますが、これは素晴らしい機能なんですね。
◎医療、ヘルスケアでの臭いセンサ
人体の健康状態をリアルタイムに調べて、ヘルスケアすることが最近では増えてきています。
また、特定の病気にかかると、その症状から発せられる特有の生体ガスがあるため、それを検知することで、病気を調査することが出来ます。
・O2,N2-肺の機能評価
・CO-喫煙による肺の機能評価
・CO2-エネルギー生産過程評価
・13CのCO2-ピロリ菌感染診断
・H2-腸内環境評価
・NO-慢性閉塞肺疾患、喘息
・アセトン-糖尿病、肥満
・硫黄化合物-歯周病、口臭
・スチレン-肝疾患
・ノネナール-がん、加齢臭
血液検査などで、体内に存在する固体物質を同定し、その量を測定する方法は健康診断でも幅広く用いられています。
しかし、上記のような人体から発せられるガスを検知して、その疾患を調べる方法はまさに最近応用されてきた新しい技術であります。
これらが進化して、様々な分野で適応されれば、病気の早期発見にもつながるかもしれませんね。
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