自然栽培はこれから見直されれて拡がるべき大切な農法
2020年04月18日「自然栽培」 「自然農法」 は、その名の通り、「自然」の力で、科学の手を加えず「自然」に育てる農法のことです。
農薬や動物性肥料は使いませんが、放置するわけではありません。
昔の農業がそうであったように、人間がキッチリと管理、育成するのです。
◎有機と無機の違い
「有機栽培」「オーガニック」「無農薬」と言えば、なんとなくよく分かってないけど、安全でヘルシーと言う勝手なイメージがあります。
そのイメージを植え付けたのは、テレビや雑誌などと思いますが。
キッチリとした定義があります。
「有機」=「organic」ですが、化学を勉強してきた僕から言わせると、有機と無機の違いは「炭素C」があるかないかの違いです。
有機化学、無機化学。ちなみに僕は無機化学専門ですが、大学時代には有機化学はガッツリ学んでいました。
一般的なイメージで表すと、有機物は生きた生命体、物質で、無機は生命体で無い地球資源物ですね。
そういう意味では食べ物はほとんどが有機なんですが、糖質、脂質、タンパク質、ビタミンは有機であって、ミネラルは無機に分類されますね。
農業で使われる肥料で言うと、植物は窒素N、リンP、カリウムK、などの栄養素と太陽光エネルギーと二酸化炭素がないと成長できません。
このような肥料を無機肥料と言われていて、通常の土壌の中に存在しています。
昔から植物はこれだけで育ち、人間が行ってきた農業もこの植物の成長を利用して作物を収穫していました。
◎オーガニック、無農薬との違い
そこで、さらに植物に微生物の力を使って成長させようとした肥料が「有機肥料」です。
もともとは家畜の糞や植物の燃えカスの灰などを有機肥料として加えていました。
そして、近年になって人口増加や価格競争から、安定に大量生産でき品質の良い植物を作るため、化学の力を使い始めたのが、「農薬」であり、「化学肥料」となっています。
この現在の農業を「慣行農法」と言われています。
そして、今や種や植物の遺伝子すらもコントロールした食物が多く出回っています。
つまり、農業の移り変わりは、自然農法(無機)→有機農法(オーガニック)→慣行農法(農薬、化学肥料)→遺伝子組み換え農法
どんどん自然から離れ、人間の手や科学の力が加わるようになってきました。
僕はササニシキの米が作られる田んぼを毎日通っていましたが、その横にはいろんな農薬の袋が置かれ、栄養付加や害虫駆除、雑草処理などを徹底的に行なっている様子を見ていました。
そのような科学的な農法をもう一度見直そうと言うのが、まずは有機(オーガニック)のブームでした。
◎有機栽培から自然栽培へ
つまり、これまで辿ってきた農法の移り変わりを見直して、元の自然な形に戻していこうと言う流れですね。
有機(オーガニック)は完全な自然ではなく、化学的に合成された肥料は使いませんが、人工的に作られた脱糞、灰などの肥料を使った農薬などは使っています。
つまり、有機(オーガニック)は無農薬ではありません。
有機(オーガニック)はイメージを良くしたビジネス戦略的な部分もあります。
当たり前ですが、そこにビジネスが成り立ってこそ、認知、拡販することができるのです。
そして有機農法を、本当にそういった肥料、農薬なども使わずに、雑草や虫の処理もせず、自然の土壌のままで育てるのが自然農法です。
その素晴らしさを提唱、実践した人が福岡正信さんであり、最近では、映画『生きている土』の須賀一男さん、そして『奇跡のリンゴ』で有名になった木村秋則さんが自然栽培を確立させました。
今、言われているのが、最近の野菜は昔のモノより栄養素が極端に少ないと。
だから、たくさん野菜をとってもスカスカで必要な栄養が足りないんですよね。
自然で育った野菜は自然の肥料や栄養を充分に吸収して、本来の栄養素を持った作物となります。
しかし、奇跡のリンゴでも紹介されているように、現在の土壌では農薬や化学肥料ありきの農地が多くなっています。
でも、自然の土地を人間の知恵と最近のテクノロジー(化学ではなく、AIやバイオ)を利用して、把握、管理することで育ちやすい農地とよく育つ作物ができるのです。
現在ではまだあまり認知されていませんが、「自然農法国際研究開発センター」「自然農法文化事業団」などの団体があり、普及活動が進められています。
大自然を尊重して本来の生命力を生かし、自然に育つと言う「生きている土」の力を信じて、永続的な栄養価の高い生産を行うことが大切だと思います。
今現在、科学や化学の発展は目覚ましいものですが、本当に必要なモノでしょうか?
そのしっぺ返しが、異常気象やパンデミックを引きを越していると考えられませんか?
だからこそ改めて、人間本来、共に生きてきた自然の摂理に従って、かつ人間の知恵と技術を大切にして何事も行うべき時代が来ると思います。
スポンサーリンク
▶