井上尚弥(なおや)VSドネアのWBSSバンタム級決勝で見た本当の強さ!
2019年11月08日2019年11月7日
ついに、世界統一大蛇決定戦トーナメントの決勝戦!
ボクシングにはWBA、WBCなど4つの協会があるが、それぞれに世界チャンピオンがいた。
そのチャンピオンがいっせいに集まってトーナメントを行い、本当のNo.1、一番強い奴を決める戦い!!
◎井上尚弥の主な成績
1993年神奈川県座間市出身の26歳で、大橋ボクシングジム所属。
小学校1年生でボクシングを始め、高校でインターハイ、国体、選抜を制し、全日本選手権も制しアマチュア7冠で、2012年プロデビュー
その後、国内最短タイ記録(辰吉以来)となる4戦目でライトフライ級日本チャンピオン!
さらにその2戦後の6戦目で、あっと言う間にWBC同級世界チャンピオンとなる☆
8戦目でWBOスーパーフライ級で2階級制覇
7連続防衛を達成し、16戦目でWBAバンタム級で3階級制覇!
2回防衛して、WBSSに出場決定。
1回戦、準決勝と2連勝して、そしてついに決勝でドネアと対戦することとなった。
プロの成績は、ゲームか漫画家と思うほど、なんと、18戦18勝(16KO)無敗!
◎ノニト・ドネアの成績
1982年フィリピン出身36歳、45戦40勝(26KO)
IBFフライ級チャンピオン、
WBAスーパーフライ級チャンピオン、
WBCバンタム級チャンピオン、
WBOバンタム級チャンピオン、
IBFスーパーバンタム級チャンピオン、
WBOスーパーバンタム級チャンピオン、
WBAフェザー級チャンピオン、
世界5階級、4団体7種のチャンピオン
◎井上とドネアの試合前評価
二人の年の差はなんと、10歳!
ドネアが世界王者だったころ、井上がアマチュア時代に憧れていたほど。
また、井上が2階級制覇を考えていた時に、対戦相手の情報をドネアからアドバイスをもらったほど
井上はプロになって7年後についにこのドネアと世界一を決める舞台で相反することとなったのだ。
身長は井上が164cmで、ドネアが170cmで背丈はかなり違い、
リーチも井上171cm、ドネア174cmと3cmも長さに差がある。
プレースタイルは両方とも、近距離で責め合うボクサーファイターで熱戦が試合前から予想されました。
◎立ち上がりから4ラウンド
井上は序盤からいつもの展開で自分の優位なボクシングを始めようと、すばやいスピードの左ジャブを応戦する。
主に上下に散らして、左ボディから右のボディも細かく当てていくがドネアもステップダウンで巧みに交わします。
ドネアも左ジャブを当てたり、得意の必殺技左フックをときより織り交ぜプレッシャーを掛けてきました。
次第に井上の左が当たり出し、ドネアを何度かよろめかせ後退させる。
しかし、序盤でまさかのドネアが左フックを井上の顔を掠め右目上付近に当たる!
これが、井上の出欠をまねいてドネアが圧力をかけ出しました。
ドネアはチャンスとばかりに出血部の左目を狙いプレッシャーを掛け続け狙ってきます。
井上も負けじと左フックを上下に内訳、上手くプレッシャーをかいくぐっているように見えました。
が、しかしドネアの圧力は止まらず、井上のボディ狙いを逆手に得意の左フックをクリーンヒットさせて、井上の左目からさらに血が噴出しました!
井上が相手選手に必死にクリンチをして攻撃を避けようと間合いを詰めるのに必死なのは初めての戦況。
あまりにも顔面流血の絵が怖すぎて、悲惨な状況が見え、これ以上流血が続くといつでもドクターストップのTKOになる状況が続きかなりの冷や冷やもんで、手に汗握りすぎるものがありました。
ドネアがゴングがなる前の終盤、たたみ掛けようとした時に、井上が来いよコイよ!のアピール。
これで井上がまだ生きていると思ったのかその気迫から一瞬、ドネアは手が止まったように感じました。
右の鼻血も出たようで、井上はボクシングの試合で血を出したのは初体験だったようで、さすがに顔色が変わり焦りが見えました。
ラウンドの合間のコーナーの治療でセコンドが必死に止血。
一度は止まったように見えましたが、こんなにヒヤッとした井上の試合はこれまで見てきた中で初めてでした。
◎4ラウンドから8ラウンド
ドネアは相変わらず優位に立とうとジャブから左フックの連続攻撃を仕掛けます。
井上も返しはするが、少し手数が少なくなってガードを上げて様子を見るように一度、戦線を落ち着けようとしていました。
井上は右目上の切り傷と血で視界がぼやけていたのです。相手の顔がダブって見えていました。
中盤戦ではラウンド終盤はドネアが連続攻撃を仕掛け、井上にパンチを当てていきドネア優勢な状況の雰囲気が出てきます。
この中盤での井上の我慢が、後半の流れを変えたように感じました。
ドネアは早めに決めようと、強振が多くなりますが井上は必死に見てカウンターで当てていきます。
その中で井上の的確な右ストレートがクリーンヒット!
ドネアが一瞬腰が落ちて倒れかけますがこらえます。
これが、本当に逆転の一発だったのかもしれません!
その後今までの戦況がころっとひっくり返ったように井上が押し込んで、右ストレートをもう一度当ててラウンドを終えます。
ここから井上は復活し、血もやや収まった感じでドネアとお互い攻防戦の互角の戦いが続きました。
8ラウンドでドネアの打ち下ろしの右ストレートから右フック右ストレートを当ててドネアが優勢になったかと思われたが、
井上の反撃で右ストレートから左ボディ!
一瞬これが効くが、ドネアが反撃でまた井上が流血して責めてきて、何とか井上はジャブや交わして耐えて8ラウンドがようやく終わる・・・
ここまではらはらドキドキして見入ったボクシングは始めてかも。
しかし、これが更なる展開が待っていて前半や中盤の伏線がかなり効いてきて、ものすごい終盤戦となるのだ。
◎9ラウンドから最終12ラウンド
井上はこれまであまり長いラウンドを戦ったことなく、特に最近は早いラウンドでKOをして終わっていることから後半のスタミナが心配されました。
その1つが、足の状態で少し足の動きが疲労の蓄積で来ている感じが見られました。
その動きが落ちた井上にドネアは圧をかけて左ジャブから右ストレートで井上を怯ませます。
あわてて井上はまたクリンチするが、ドネアはまた当てます。
井上はこの試合何度かクリンチをしましたが、これまでの大会でクリンチをした経験が無いにもかかわらず、スパー練習ではクリンチの練習を何度も積んでいたのです。
この逆境の状況をも考えていたのか。
井上の右目上の切り傷は広がってきているように見え、血はまた流れ出します。
しかし、もう一度我慢とこの先の戦況を見つめ、もう一度耐えて体力と落ち着きを取り戻します。
時よりカウンターで右ストレートを当て次第にドネアもスタミナを失ってきているように見えました。
ここで恐らく後半ラウンドに大きく差が出たのが、スタミナの差。
井上は経験は少ないにしても、練習ではかなりのスタミナ練習は積んでいるはず。
そして、何よりまだまだ若い、それに反してドネアはスタミナは確実に落ちてくる30代後半の歳。
この差は後半3ランドで一気に出た気がします。
10ラウンドで一気にたたみかけて優勢を確信したのか、ゴングが鳴るとニヤッと笑みを浮かべグローブを観客に向けて突き上げました。
井上は℃根後のこのギリギリの死闘を楽しいと感じたのです。
残り2ラウンドで井上が覚悟を決めて全力で攻め出します!
場内も完全に「尚弥」コールで井上有利な雰囲気に包まれます☆
そして、ついに井上の右から、強烈な右ボディー!!
これは序盤からずっと狙っていたパターンでついに、ドネアの内臓を捉えます。
ここを当てれた人にしか分からないと思いますが、息が詰まるような強烈な重みと全ての体の動きが一瞬にして止まり、戦意を失います。。。
これでドネアはふらふらと後ろに下がり、ついに手を付いてダウン!
どねあはたって粘ることも考えたが追撃を恐れて、逃げて膝と手をついてテンカウント以内で回復させることを選びました。
そして、必死のプライドで10カウントギリギリで立ち上がります。
追い討ちを掛けるように井上の連打!
何とかドネアも耐えて、たまに左フックを返して粘ります。
本当ならここで勝負は決まっていたでしょうが、最後まで決着を決め切れなかったのはドネアの意地と経験からでしょうね。
試合の状況はシーソーゲームでした。
序盤の危機的な状況から見れば、明らかにドネアのポイント優先だったでしょう。
しかし、それでも流血で試合をストップさせなかったレフリーの判断は大きかった!
目から血が流れているが、目は明らかに死んでいなかった!!
後半を考えて落ち着きを取り戻し、作戦を考えて優勢に持っていったいの上の戦略とスタミナの差に勝機ありでした。
判定は116-111、117-109、114-113の3-0で井上が制し、WBSSバンタム級の世界統一王者に輝きました!
試合後の2人のリスペクト下検討をたたえあった抱き合いは、試合中のクリンチとは全く異なって熱い感情がこめられ、ラグビーのノーサイドの精神にも似た感動するものを感じ取れましたね☆
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