ケイ素Siシリコンはガラスや半導体と様々な利用がある元素
2019年11月27日Siは日本語では珪素(ケイ素)と呼ばれ、英語ではsilicon(シリコン)と呼びます。
原子番号14番目で、周期表の縦では炭素の14族の元素であります。
酸化数は4価を取りやすく、炭素と性質や構造が似ており、類似の化合物も多いです。
※2023年7月更新
1787年にラテン語の「silicis」(ひうち石)にちなんで名づけられました。
オランダ語では「keiaarde(ケイアード」であり、火打石の土の意味があり、それを日本語として「珪」の素と名付けられました。
シリコンは地球上に酸素についで2番目に多い元素となっています。
◎ケイ素(シリコン)の性質
安定な結晶構造は、立方晶の生八面体となるダイヤモンド構造となります。
これが1.12eVのバンドギャップを持つ半導体となります。
つまり、電気を完全に通す金属ではなく、電気を全く通さない絶縁体でもないちょうど中間の性質を示します。
このシリコンを使った半導体のメーカーが多く存在する地域が、アメリカのサンフランシスコ南部にあり「シリコンバレー」と言われており、
Apple、Google、Facebook、Yahoo、MicrosoftなどのITメーカーが集まっています。
このシリコンの結晶にリンなどをドーピングするとn型半導体に、ホウ素などをドーピングするとp型半導体になります。
これらの半導体を組み合わせた集積回路をICと呼び、様々な電化製品の基板を作っています。また、太陽電池の材料としても使用されています。
なので、電化製品からパソコン、スマフォまで、今のIT化にはシリコンは欠かせない存在になっているのです。
◎シリカSiO2の化合物として様々で利用
地球の地殻を形成する物質、鉱物はほとんどがこのシリカSiO2(二酸化ケイ素)となっています。
石英や珪藻土、そして水晶もシリカの結晶物です。
このSiO2を炭素電極を用いたアーク炉で還元して純粋なSiを得ます。
SiO2としては様々な構造を取り、中でも不純物のない綺麗な単結晶は光を反射しないため無色透明の水晶となります。
このシリカに少しの不純物を加えることで様々な色を出す鉱物石がアクセサリーとしても存在します。
※参照Wikipedia
◎ガラスとしての珪砂
シリカが細かく砂状になったものを珪砂と呼び、これを溶かして再結晶化させたものが無色透明な石英ガラスです。
この石英ガラスは純度が高く製法も高価なため貴重なガラスとなっています。
そこで安価な大量生産できるガラスが、この珪砂SiO2に炭酸ナトリウムNa2CO3と炭酸カルシウムCaCO3を混合して、高温で溶かして冷やすことでキレイな構造を作る透明な化合物となります。
このような綺麗な構造を持った化合物は、光を反射や吸収しないため透明に見えるのです。
スモークガラスなどはあえてこの表面の粗くしているので半透明になります。
◎シリカゲルやシリコーンとしての利用
シリコンはシリカに水が加わった構造のシリカゲルSiO2・nH2Oと、シロキサン結合 (Si-O-Si) を持った高分子化合物のシリコーンもあります。
シリカゲルは多孔質の最高を多く持った構造で給水するため、乾燥剤として幅広く利用されています。
シリコーンは「シリコン樹脂」として利用が幅広くあり、ゴムに似た性質で耐油性・耐酸化性・耐熱性が高く、不導体で撥水性があるため様々な加工物質として利用されています。
ただし、シリコンSiO2とは構造が違うため、本来はシリコーンと言いますが、シリコンと一般化されていることが多いです。
最近ではシリコン製の食器や調理器具、おもちゃでも利用されていることが多いですね。
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