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鉄平塾~トレイルランニング走り方教室と健康法の学びブログ

〜運動と健康の理論的な研究~

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スポーツにおける薬物(ドーピング)の歴史と禁止物質

2019年10月08日
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今、ラグビーワールドカップや世界陸上など、世界的に大きなスポーツ大会が行われています。

オリンピックでも過去に大きな問題となったのがドーピング、薬物使用の問題。

マラソン選手の川内選手でも聞いたのですが、海外遠征をすると止まっているホテルに夜中や早朝に抜き打ちで、尿検査をこれまでに何回も実施されたようですね。

今回はそのスポーツとドーピングの話について書きたいと思います。

◎アンチ・ドーピング

スポーツの世界のトップ選手は、人間の究極の運動能力の頂点を競っています。
だからこそ魅了されるものがあり、感動します。

しかし、それは誠心誠意、自分の身を賭けて戦うからそこだと思います。

トップスポーツ選手がフェアに戦うための、クリーンで公正なスポーツを守るためには一定のルールが存在します。

僕ら一般の市民ランナーや、ちょっとした市民大会に出るレベルではドーピングに対する検査は行われませんよね。

市販で売られている風邪薬や、栄養ドリンク、特別なジェルなどには、ドーピング禁止成分が含まれている場合もあります。

もちろんトップ選手はこれらの成分を把握しており、取るものを厳選しています。

もし、ドーピングを行っていることが発覚すれば、金メダルでさえも剥奪されるくらいの大きな問題になるし、もちろん今後の選手生命も絶たれます。

トップ選手では、向こう3か月の予定や居場所と、その中で毎日1時間の検査可能な時間を報告する義務があります。

それを拒否したり、1年回に3回検査を受けなかったら、「ドーピング違反」となり、処分対象となってしまいます。

だから、選手は自分のプライベートがほとんどないし、逆にこれは検査員も大変な人数の確保とスケジュールになるんだな~と思います。

◎ドーピングの歴史

ドーピングは古代ギリシャの時代から、「興奮剤」としての薬物利用が始まりのようです。

近年の利用では、1865年にオランダの水泳の大会で薬物を用いたドーピングの報告があります。

また、1986年には自転車競技で興奮剤の使用で死亡者が出たと言う事例もあります。

1960年のローマオリンピックでは、自転車競技で覚せい剤のアンフェタミンの大量摂取で死者が出てしまいました。

それによって次回の1964年に行なわれた東京オリンピックでは、メディカル委員会の議題でアンチ・ドーピングが提唱されました。

当時は各競技会によって、ドーピングの基準はまちまちで、検査方法も確立されていなかったため、ドーピング検査の実行は難しかったのです。

そして、1988年のソウルオリンピックでは、陸上競技100mで優勝したベン・ジョンソン選手の筋肉増強剤によるドーピングが発覚し、金メダルをはく奪される大事件がありました。

当時では圧倒的なダントツの1位と、信じられない9秒79と言うタイムでしたが、幻の記録になってしまいました。

この時はカールルイスが持っていた9秒92が世界記録で、ベンジョンソンの出した幻の記録9秒79を出したのは、1999年のモーリス・グリーンであり、超えたのは2005年にアサファ・パウエルが9秒77を出した17年後まで掛かっています。

それほど、ドーピングと言う魔力は効果が大きすぎることを物語っています。

この筋肉増強剤はテストステロン由来のスタノゾロールと言う物質で、ステロイドホルモンの一種でタンパク質を作り出します。

この物質は実は、ウィンストロール(経口)やウィンストロール・デポ(筋肉)の名称で商業的に販売され、ボディビルダーなどは使用しています。

ようやく1999年に「世界アンチドーピング機関(WADA)」が設立され、ドーピングの取り締まりが始まりました。
日本でも2001年に「日本アンチドーピング機構(JADA)」

これ以降はスポーツ大会で厳しいドーピング検査が行われるようになり、2008年の北京オリンピックの400×100mリレーで、ジャマイカチームが8年後の2016年にドーピングで金メダルはく奪となり、日本が銀メダルに繰り上がりになったことや、2016年のリオデジャネイロオリンピックでのロシア代表の参加拒否が記憶に新しいところです。

◎測定方法と禁止薬物

ドーピングの検査は尿を採取してWADA認定の研究所で検査されます(日本ではLSIメディエンス)

薬物の検査分析装置は僕も使用したことのあるものばかりで、液体クロマトグラフィー質量分析装置(GC-MAS)、酸素免疫法(EIA)などで測定します。

違反薬物としては以下の通り、通常禁止されている薬物6種類と、アンチドーピング教会で禁止されている4種類があります。

S0:無承認薬物(臨床開発中も)

S1:アナボリックステロイド(筋肉増強剤)

S2:ペプチドホルモンなどのホルモン剤

S3:β2作用薬(気管支拡張、交感神経刺激)

S4:ホルモンや代謝調整薬(アロマターゼ阻害薬、インスリン)

S5:利尿薬や隠ぺい薬(薬物の証拠を消す)

S6:興奮薬(覚せい剤、コカイン、エフェドリン)

S7:麻薬(鎮痛、鎮静、陶酔)

S8:大麻(カンナイビノイド)

S9:糖質コルチロイド

◎ドーピングのもう1つの目的

アンチドーピングは、もちろん違反をしてまで、勝ちタイ、記録を出したいと言う選手をスポーツ界から除外したいのが目的ではあります。

しかし、選手を守るためにも、もう一つの目的はスポーツ選手の健康保護なのです。

上記の中にも、トップスポーツ選手じゃなくても使用しているものもありますよね。

病気の人が治療薬として摂取しているものや、痛み止めや鎮痛作用として一般の人が飲んでいる薬でもドーピングに引っかかるのです。

また、アルコールや精神安定剤も禁止している競技も多いです。

こういった身体に影響、支障をきたす薬物はトップスポーツ選手に限らず、身体や健康にも影響を及ぼすため、摂取に気を付けなければならないのです。

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