マラソンのタイムを40代になってからでも向上させるトレーニング法
2020年02月27日※CONDE NAST JAPAN 『WIRED』記事参照
https://wired.jp/special/2019/the-aging-marathoner/
非常に長い記事ですが、ランナーの為にはとても参考になることが書いてあったので僕なりにまとめてみました。
(13000字を3000字で推敲、要約しました)
それでも長いw
◎中年からのトレーニングで再挑戦
『WIRED』編集長ニック・トンプソンはランナーで、2時間43分のフルマラソン自己ベストを誇ります。
「中年」に足を踏み入れたランナーが誰もが経験する。
人が「走るために生まれた」のなら、それは年齢の壁さえ越えられるのだろうか?
彼の最新の科学とテクノロジーを駆使したトレーニングでの挑戦の記録をまとめました。
ランニングは最も素朴なスポーツで、シューズ、ソックス、パンツ、シャツだけあれば走れるし、動きは自然そのもの。
しかし、競争相手は自分自身で、私的で根源的な営みであり、年齢とともに確実に訪れる衰えはとりわけ辛いものになります。
年を取ればどんなスポーツも衰える、それは複雑であるほど言い訳はできる。
しかし、ランニングは言い逃れができない。
「同じ距離を同じように走って時間で評価されるからだ」
マラソンでベストタイムを出せる年齢とは?
男女とも長距離のベスト記録はたいてい20代半ばの選手が出している。
しかし、男子マラソンの世界記録を塗り替えたキプチョゲは33歳だった。
でも、そういう記録を出すのはエリート選手に限り、限界を求め体を酷使している選手は、一度スピードが下がり出したらあっというまに落ちてしまいます。
著者のトンプソンも39歳で下がり始めました。
ランナーの
スピードが落ちる
最大の原因は
体ではなく、生活だ。
「フィットネス」×「ランニングエコノミー」÷「質量」
・フィットネス(体力)
酸素をどれだけすばやく筋肉に送ることができ、血中に乳酸が溜まる前にどれだけ走れるか・ランニングエコノミー(走りの経済性)
すなわち運動効率。着地、フォームなど・質量(体重の問題)
重さは運動エネルギーに関わる
これの3つで走るスピードが決まる。
年を取ると、生活の変化によって、もっと大切なことに時間をとられるようになります。
ランニングは絶えぬ努力を続けた人が報われるスポーツで、いったん離れると復帰するのが難しいのです。
つまり、この3つを維持向上する練習時間を確立、維持することができなくなるのが一番の原因です。
◎練習量とデータの把握が大切
進化するエリート選手のトレーニング方法
エリート選手の典型的なトレーニングプログラムは、
インターバル走、閾値(LTペース)走、ロング(長距離)走、リカバリー走。
一日に2回、3回走り、故障が起きる直前まで体を追い込む。
通常はトータルで週に200km近く走る。
大変な距離のように聞こえるが、時間はそれほど掛からない。
VO2 maxとLT値の改善が必要だ
ランニングにおいて重要な数値である最大酸素摂取量(VO2 max)
(激しい運動の最中に酸素を血球に届ける能力を測る指標)一定の体重の人間が1分間に血流中に送り込むことのできる酸素(O2)の体積(V、mL/分)
VO2 maxは主にスピード練で改善し、インターバル走(400メートルか1,600メートルを限界ぎりぎりのスピードで走り、少し休息を挟んでまた走る)
LT値は、乳酸が溜まりだすスピードが上がる変化点
キツイけれど倒れ込むほどではないペースで走る閾値(LT)走で改善できる。
ランニングをデータで測る
エネルギー量、距離、時間、心拍数、プロネーション、VO2 max、LT値、全てを記録、把握し、それを関連させて考察することが重要です。
GarminでTRIMPと言う「training impulse」(トレーニング強度)を表し、「運動時間」×「心拍数で測った運動強度」で決まる数値
があり、これで練習効果を把握できます。
パフォーマンス=「体力レベル」−「疲労レベル」
◎結局最後はシューズなのか
何よりも大事なのがシューズだ
※この記事はこれが言いたいw
ランニングがシンプルなスポーツだといっても、少なくとも都会では裸で走るわけにはいかない。
足は硬い舗装路を叩き続ける。
一歩ごとにシューズが衝撃を吸収して、エネルギーを両脚に戻してストライドを広げ、衝撃の圧を体全体に分散させるのを助けます。
大ヒットシューズ「VAPORFLY 4%」のイノヴェイション
・重さ(靴は一番重さの影響を受ける)
VAPORFLYは片足が190グラム
・ズーム・フォーム緩衝材
足を地面にぶつけた圧力が足に跳ね返ってくる時にその圧力のを吸収する
・ソールの内側にカーボンファイバー製のプレート
衝撃によって曲がり、戻るときに軽い推進力をもたらす
エクササイズ、ストレッチ、食事
ランニングは体を傷めつけます。
筋肉をもっと丈夫で柔軟にすれば、衝撃によるストレスをさらに吸収できます。
トンプソンがトレーナーに言われたのは、ビーツジュースを毎日飲めということだった。
ビーツには硝酸塩が含まれていて、体内で一酸化窒素に変わる。
これによって血流とスタミナが高まるらしい。
記録のために最も大事な要素:天候
マラソンでは結局、当日のコンディションが全て。
良い記録を出すのに一番大事な要素は、天候で、中でも気温が重要となります。
7度から10度くらいが走るのには最適。
風も大きな要因となります。
もちろん、向かい風より追い風が有利で、
別の選手の背後につくと、同じペースで走った場合に消費するエネルギーを1パーセント節約できます。
走りながら確実に、炭水化物と水分をたっぷり摂るのが大事で、コース上で水とエナジーゼリーを補給するのが必要です。
◎40歳を超えてから大切なのは気持ち
年齢を重ねながらタイムを更新する喜び
マラソンではいつも序盤は慎重に走る。
20マイル(約32km)地点に差し掛かるころ、多くの選手がばて始める。
体に蓄えられる炭水化物はおよそ2,000キロカロリーで、1マイル(1600m)ごとに約100キロカロリー消費する
トンプソンはシカゴマラソンでゴールタイムは2時間38分25秒となりました。
43歳で30歳の時に出したベストタイム2時間43分を5分更新しました。
タイムが良くなるのはいつだって嬉しいが、年齢を重ねながら記録が更新するというのはまた違った喜びがある。
昨日と同じ自分でいたければ、よほど頑張らなくてはならない。
とはいえ、どこかで終止符が打たれることはわかっている。関節が動かなくなり、背中が痛み始める日がいつか来るだろう。
ランニングの厄介な点のひとつは、ギャンブルと同じで、なまじいい結果を出してしまうとやめるのがとても難しいということだ。
指示されたプログラムを完璧にはこなせない
※結局はここが一番大事だと思った
というのも、日常のあれこれが邪魔するからだ。
・財布と鍵を入れたウエストポーチや服を入れたバックパックを身につけて走る
・息子に練習を見せても、退屈になり切り上げる
・歯医者やクリーニング店やサッカーの練習に行くついでに走る
・深夜の出張で予定通りに走れない
・急に電話会議が入って予定が狂う
とはいえ、ランニングの素晴らしいところは、一日の行動に取り入れやすい最も単純なスポーツだという点だ。
シューズを手近に置いておけば、折を見てすぐ走りに行ける。
◎まとめ
僕がこれを読んで感じたのが、
「記録向上のモチベーション」と「正しいトレーニングの実行力」
この2つがとても大切だと思いました。
それに加えて、「道具」「コーチ」「条件」
これがそろって初めて記録更新ができると思います。
「鉄平塾」では、これまで2シーズン、『マラソントレーニングプログラム@鉄平塾式』をやっています。
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