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窒素と水素イオンからアンモニアを作る新たな製造法

2019年07月04日
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アンモニアと言えば通常の人は尿のことを思い浮かぶかもしれないですね。

しかし、尿の成分は98%が水であり、残り2%が「尿素」で微量に無機系イオンなどが含まれます。

 

尿は通常の機能の腎臓であれば、充分にろ過された無害の綺麗な液体です。

しかし、尿が放置されると、細菌が尿素を分解して「アンモニア」となるため、あの臭いがするのです。

 

尿素は化学構造式では、(NH2)2C=Oとなり、これが分解されてNH3となるのです。

 

◎アンモニアの様々な利用

アンモニアと言うとあまりよくないイメージですが、実は様々なところで使われています。

かなり過去の古代エジプトから存在し、アモン神殿と言う場所の近くで塩化アンモニウムが産出されたことに由来します。

 

アンモニアは無機化合物であるが、それから有機化合物である尿素を合成したことで、根本的概念を覆した発見でも有名となっています。

アンモニアはN(窒素)とH(水素)からなり、硝酸(HNO3)などの基礎化学品、硫安(硫化アンモニウム)など窒素肥料の原料となっているためとても重要な物質です。

 

液体アンモニアは蒸発エネルギーが大きいため、冷媒としてもかなり利用されています。

また、繊維としても有名なナイロンやレーヨンなどもアンモニアから合成して作られます。

窒素化合物として有名なダイナマイトなどのニトログリセリンを使った爆薬の原料ともなっています。

 

アンモニア自体は濃度が高いと毒性であり、人体や植物に影響を与えます。ガスのボンベは白色として区別されています。

 

◎アンモニアの製造方法

化学を少し勉強している人であれば、「ハーバー・ボッシュ法」と言うのを聞いたことがあると思います。

これは高温・高圧下で、原料である窒素N2と水素H2を反応させて、アンモニアNH3を得る方法です。

昔から、カザレー法、クロード法、東工試法とだんだん低圧になってきてはいますが、ハーバー・ボッシュ法でも200気圧(1気圧=1013hPa)が必要となっています。

そのため高エネルギーに加えて、反応させるための触媒も必要になっており、アンモニアを生成するにはかなり高額となります。

 

◎バクテリアからアンモニアを生成

自然界にはアンモニアがバクテリアによって作られます。

おしっこの尿素から分解されてアンモニアが生成して臭いが発生するように。

 

このバクテリアはニトロゲナーゼと言う分解酵素を持っていて、空気中の窒素からもアンモニアを合成してしまうのです。

それには高温・高圧のエネルギーも触媒も要らず、低エネルギーで合成されます。

 

この酵素には鉄やモリブデンが含まれていますが、これを使ってアンモニアを合成できないかと研究がおこなわれていますが、なかなかできません。

自然界のバクテリアは人間ができないことさえも行っているのです。人間はいろんな科学を生み出しましたが、自然界の現象には勝てないのです。

 

◎新しいアンモニア合成方法の発見

2019年4月に東京大学の西林仁昭先生のグループで、世界で初めて空気中の窒素分子と水からアンモニアを作ることに成功しました。

これはバクテリアと同じく、窒素を水中の水素イオンH+と電子eから生成する方法です。

これには二ヨウ化サマリウム(SmI2)を還元剤として電子を与えています。

 

水中で触媒としてモリブデン化合物、還元剤として二ヨウ化サマリウムを加え、窒素ガスを吹き込んで反応させたところアンモニアが生成したのです。

これは高温や高圧のエネルギーを必要とせず、常温の室内で生成することができたのです。

 

ただし、モリブデン化合物はかなり高価であるため、まだまだ課題が多いようです。

アンモニアを安価で合成できるようになれば、農業界や化学背物質を作るこれからの未来も明るくなりそうですね。

 

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