【ソロナイト試走】京都一周トラバース〜to you night 霊はいつもそばに居る〜
2023年06月17日
結果は計測では58キロ累積標高3000mを、8時間29分。気候は涼しかったから好転だけど、試走のソロナイトでは良いタイム。本番も8.5切りを目指そう!
※めっちゃ長い小説風なので、気になる人、興味ある人だけ
(たまにある、Facebook友達の「長いです、ごめんなさい」レベルではないw)
◎嵐山江向かうまでのトラブル多発で冷や汗
走りに行く前からトラブルが多発し、走りだしてからもトラブルが多く、何度も苦戦したこのソロでナイトの京都一周。京都トレイルの夜は恐怖だ。その体験をここに記す。
水無月の6月中旬。日本では梅雨真っ只中なのに、水の無い月と言う。これは実は旧暦では7月中旬にあたり、梅雨が終わり、晴れ間が広がって水が無くなる月という由来。または、田んぼに水を張って水張月がなまって水無月だという説も。
奇しくも梅雨の前線が通過したタイミングで西から移動性高気圧が西日本に張り出して来た西高東低。気候はとても良かった。夜中の山の上は肌寒いくらい。
ただ、夏至間近なので、19時過ぎまで明るく、5時前には既に明るい。まさに絶好のトレランナイト日和だ。
予定が空いたので、嵐山からの京都一周をナイトでソロで走り切る練習を。
5月末から、比叡山ショート23キロ、比叡山50キロの前半20キロ、後半30キロ、六甲縦走45キロ、3日前に中山武田尾川西の25キロを挟んでの、この京都一周58キロ。だんだん距離を伸ばして来た。
真夏の8月くろんどロンド90キロに向け、脚作りと調子上げはうまく行っている。あとは暑さ対策、暑熱馴化はまだ暑い日が少ないのでこれからだ。
そもそも今回のはかなりの誰もがほぼやったことないハードな挑戦だ。六甲縦走ソロナイトもなかなかハードル高いが、街に近いのとキャノンナイトがあるくらいなんで走り慣れてる。
でも、京都一周をソロでナイトをするにはかなりハードル高過ぎる。誰かとはナイトを3回くらいしたが、独りでこの京都のトレイルを走るのは、まず何よりも『怖い』『恐怖』
独りだと、怪我や事故、遭難した時にナイトは大変だから絶対に走り慣れた知ったコースでしかできない。でも、氷室から山幸橋までのトレイルと、裏大文字から山科分岐のトレイルが少し不安だ。
19時スタートを考えて家を17:40に出ようとしたが、バタバタして間に合わず次の電車を目指す。でも、家を出たら痛恨のライトを忘れたことに気がつく。ライト無しではナイトは走れない。予備も含めて2つのライトと電池をリュックに入れて再び家を出発。
20分遅れて電車に乗るが、電車が遅れてさらに桂の乗り継ぎ悪く、結局20時に嵐山駅。
ライトをチェックするとこの前のナイト六甲縦走で、劣化と汗で摩耗して、まさかのコードが切れていた、、、前終わった時に千切れそうだなとは思ってはいたけど、まさかこの京都ナイトの前に切れるとは不吉な予感がした。
いろんなトラブルが重なり1時間遅れ、これは神様、霊からやめとけよと言うお察しなのか?
でも、ここまで来て、またこんな予定が空く日はなかなか無いと意を決して出発!
◎嵐山公園から雰囲気ある夜の山道を走る
そこから嵐山公園に向かいスタート。夜の静かな暗がりな嵐山はとても雰囲気あり情緒深い。
夜の道を走ってるとたまに出歩いている人にとても驚かれる。あるある。
そして、川沿いを淡々と走ると、目の前にはキラキラと光めくホタルの明かりが。そして、空を見上げると満点の星明かりが広がる。これは絶対にここでしか味わえない最高の自然の舞台だろう。今まで生きてきた中で最高に一番の景色だったかもしれない。まさに生きている、幸せだとシンプルに心から感じた。
清滝へ渡る橋を走ってると人影が!
マジでビックリした!ライトを当てると女の人、生きてる。ってか、向こうの方がマジでびっくりしてた。
その先の階段の人にまた人影が!今度は男の人だった。その人もマジでビックリしてて、通りすがったあと、「どこから来たんですか?(恐怖声)」と聞いてきた。
「嵐山からです」と答えると、後から悲鳴声が聞こえた。
清滝を越え、高雄へ向かう林道でトレイルランナーっぽい人にすれ違った。挨拶だけしたが、誰か分からず、こんな時間にこんなとこ走ってるのは変態レベルに違いない。
そして高雄に着くと、ここはタイムスリップしたようなレトロな雰囲気と床どこでこれまた昭和チックな宴会で盛り上がってて羨ましく思う。
◎獣より霊より怖いものは人間かも知れない
高雄の二車線の道路を右折し、いよいよここから本格的な登りに入るが、まさに人里離れた山に向かい、ここからが怖いポイント。
一人のロードの真っ暗な登りは堪える。ロードが終わり、ここからガレたトレイルを登るが、登り切ったとこのカーブで道を間違え、復帰して走り出して行くと、あれ?こんなガレた下りがここにあったっけ?と思う。地図を確認して見ると、逆走してる!さっき登ってきたガレ場やん!まさかのトラバース。不吉な予感。
沢の池に何とか出て走っていると前方左側に何個かの明かりが。走って行くとこちらに明かりが1つ近づいて来る!いやいや、怖い!
って思ってたら、キャンプしてた人達だった。むしろ、こんな夜中に明かりが高速で動いてるのを見た方が恐怖だったかもしれない。
ロードを下って右に入るとこでまた道を間違える。ナイトは昼と違うから難しい。そこから今日一周から離れた一旦東海自然歩道で一気に下る。トレイルとロードを。
この自然の山のトレイルからロードに出る間際が一番怖いかもしれない。神の世界から人間界へ。まさにそれは魔界の通り道。つまり、霊というのはこういうとこに存在する。山の中には恐らくいない。
ロードに出る間際には寂れた古い誰もいない民家や獣よけの柵がある。ここが夜は一番恐怖だ。何かがいる雰囲気を頭で感じる。背中で感じる。決して振り返ってはいけない。。。
ナイトトレランあるあるだが、自分のライトで照らされる木や枝や葉っぱの影が動いてビックリする。茂みの中でガサゴソすると背筋が凍る。僕は山の中で独りだ。なおさら恐怖しかない。
ロードに出てから、金閣寺に向かう下りと、はせがわハンバーグに向かう登りのT字路手前に差し掛かると、後ろから明るいライトが!
更に前からも明るいライトが。まさかのこんな時間に車が2台対向している間に、トレランの僕が走っている。
明るく夜道で前後から煌々と照らされて、スポットライトのように浮かび上がる、ノースリ短パンのランナー。
こっちも怖いけど、向こうも相当ビビっただろう。
そして、ここからは、はせがわハンバーグに行った帰りにいつも下っていた細いロード。
下ってたら結構急な道だとは分かっていたが、これが逆に登ると強烈。絶対走り続けられない斜度。結構ここは鬼門かもしれない。
京見峠を越え、はせがわハンバーグとの分岐で一休み。
ここからロードが続き、登ってから一気に氷室の集落まで下る。
そんな時、右の方から、こんなところに明かりが2つ?
少し遠いので止まっているのか動いているのかは分かりにくい。
でもかすかに下って動いているよう。川の対向の林道か?こんなとこにランナー?
と、その道の分岐まで来たが、こちらの方が速くついたため、その2つのライトの正体が分からないまま氷室の集落を進む。
◎難関のトレイルで一苦労
ここから三幸橋までのトレイルは、いつも荒れた道で暴風雨の被害の爪痕がまだ残っている、明るい時でも走りにくい山の中。
下って行くと、夜のライトだけでは分岐がとても分かりにくい。
一瞬倒木を飛んで進とそこからがけ崩れのような倒木だらけの沢に。おかしい?
と思いながら進むと、道がなくなった。地図を確認するとルートから少し左に逸れている。
慌てて戻ると、いつもは沢を横切り渡って反対側に行く場所だった。
ここはこういう地点がいくつもあり、荒れていて沢渡も何度もあり、ナイトでは道迷いが激しい。
なんとか下り切り、集落の明かりが見えて、車のエンジン音が!
バン!といきなり鳴った!何事かと思ったけど、音の正体は分からない。車が2台止まっていて人が乗っている。
一番怖いのは人間かも知れない。。。
三幸橋からいよいよ中盤の山場、向山。何度も何度も偽ピークを繰り返し、最後に急登で山頂にやっと着く。
登りにくい階段の急登あるが、ここはかなり全体を頭に入れているのでそつなくこなす。
逆に怖いのはここからの夜泣き峠と鞍馬から先の薬王坂。
夜泣きはヒルのメッカだ。そして、薬王坂はスズメバチのメッカ。
僕は過去に似どこの2つの厄介な狂暴虫にやられている。
山は虫も怖い。しかもナイトだと見えないから余計に怖い。止まらず走り続けるしかない。
でも虫はたいていライトの明かりに寄ってくる。ハチがライトにめがけて飛んでこないか恐怖でしかなかった。。。
なんとか走り抜け、静内地域へ。ここに降りる前の集落もものすごく怖い。
後からハチが来ないか、上からヒルが来ないか、横から霊が来ないか。
びくびくしながら冷や汗でようやく静内神社に着いた時はぐったり。
神社や寺は何故か不思議と怖くない。神や仏によって守られているからか。
お墓も怖いけど、幸い京都トレイルにはお墓の横を通るとこはほとんどない。地蔵は多いけど。
江文峠への林道を走り、後半は歩いてしまうけど、なんとかもうすぐ大原ってとこまできて、沢沿いのトレイルの下りで…
ライトが一瞬照らしたものが、小さな少女が座ってかかんでいるのが一瞬見えた。
何かと思ったら、そういう形した切り株だった・・・
想像力は豊かだ。見えるものが想像によってすべて霊に見えてしまう、ゾーン状態。
階段を下りていると、下から手が出てきて掴まれるんじゃないかとさえ想像してしまう。
前はあった大原へのロードに出る前の鉄柵がない。
ここで、後ろにゾワッとした寒気の感覚が全身に走った。
何かが後ろからついて来る?決して振り返ってはいけない!明るいところまでキロ4で飛ばし大きなロードへ。
そこからも、一切後ろを振り返られない。首がむち打ちにあったようだ。
◎まさかの大原事件から比叡山越えへ
そこから一気に飛ばして、大原のファミマを目指す!
ここは京都一周をやるには中間点の唯一大きな補給をできるルート上のポイント。
近づいてみると、なんだか雰囲気がオカシイ。暗い。
まさかの24時間店舗だったコンビニが、7~23時までだった!
怖い、怖すぎる。。セブンイレブンかよ・・・
少し休憩し、ここからは後半の大ボス比叡山。
ボーイスカウト道、水井山、横高山と急登の難関が続く。
ここも慣れているので淡々と進むしかない。
比叡山は昔から独特の雰囲気がある。戦国時代のあの有名な焼き討ちで多くの被害者もいるのだろう。
昔、試走に来た時に横高の登り口で深い霧に合い、迷って彷徨ったことがあり、途中で白い足だけが走っている霊を見てしまった。
また、確実に後ろに何かがついて来る。振り返られない。前に足を進めるしかない。
なんとか最高峰の水井山を越え、戦略ではここからペースを上げ後半は飛ばす作戦。
なんとか西塔まで来て、ここも地蔵や灯篭が多く立っており、全部、何かに見えてしまう。
スキー場跡まで来て、ケーブル比叡駅で自販機でオロナミンCとポカリスエットを買う。
140円と160円。1000円を入れて、700円のおつりが出てきて、取り出し口を見ると。あれ?
オロナミンCがない?
不思議に思い、あと140円追加して、またオロナミンCを買うと、、、2つ出てきた…
恐怖でしかない。
◎トレラン力とは速いだけではなく総合力で示される
ここからの下りは得意パートで、一気にゾーンに入って、霊など吹き飛ばして出町柳のバプテスト病院まで!
下っていると夜が明けだんだんと明るくはなってくる。
でも、京都のトレイルは根っ子が多く、かの有名な源義経(牛若丸)が修業をした鞍馬などがある。
僕は下りはもちろん得意だが、特にほかの人が苦手流れ場や根っ子の下りが得意。しかもナイトの方が難しいが、それも得意。
多分、ナイトの根っ子の下りは日本でもトップレベルではないかと思うほど。
トレイルの下りがいくら速くても、怪我や故障してはそれは得意とは言えないだろう。
そうするとトップランカーの何人かは除外される。
エラーやケガしないからこそ、野球でもゴールデングラブを得られる。
そして、「無事是名馬なり」は誰もが納得する名言。
僕はこれだけトレランをやってきて、一番の怪我は小指脱臼全治2週間、故障はふくらはぎ肉離れ全治2週間。両方とも3日後には走ってたw
この怪我や故障しないロードやトレランの走り方を根本から伝えている。これが鉄平塾の根本だ。来て見なければ絶対に伝わらない。
銀閣寺を横切り最後の山、大文字。
ここももう慣れているので、後半だけど淡々と。
そうすると5時前からもうすでに明るくなってきて、登っている人や日の出を見た人が下りてきて挨拶する。
登山者はとても優しい。心が落ち着いている。だから怖くない。たまに怖いハイカーさんもいるけど。霊より人間の方が怖い。
霊は人を殺傷する力は無いと思っている。物理的に不可能なんだ。だから、命は奪われることは決してない。
全ては頭の中の想像の世界や、人間が作り出した創造の話でしかない。
怪談話や心霊話で、霊に殺され死んだとされるはずの人の見た感じだ話は誰がしているのだ?
◎エピローグ
そうして、大文字山からの下りも得意パートで最後の力を振り絞り一気に飛ばす。
夜明けの鳥のさえずりや、日差しに、たまに通るハイカーさん。
なんて心地よく清々しいんだ。トレランは夜中走るもんじゃなくて、やっぱり早朝だな。
前線が昨日通過して、大陸から高気圧が張り出し、今日は降水確率0%だとか。
この場合の「0」は「ゼロ」ではなく、「零」と言う。
降水確率や時刻は、完全に「0」と言うのはあり得ないらしく、「限りなくゼロ」を「零」と言うらしい。
ある意味では「僅かに存在する」とも。
「零」と「霊」
何か近いものがあるかもしれない。
山科の毘沙門堂に着き、嵐山公園をスタートして色々トラブルあったけど、気候も味方し8時間30分だった。
無事に家に帰ることができたが、ずっと肩や脚が重い。筋肉の疲労やケガや故障感は全くない。
こんな感じは初めてかもしれない。
何かがとりついた感じ。ある意味、今回ので一皮むけたのか?
それとも?
もし、僕がこの先、何かあれば。それは・・・
~完~
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