緊急事態宣言のさなかでも献血が必要視されている現状
2020年05月12日2020年4月7日に発令された「緊急事態宣言」によって、かなりの行動や経済的動きも制限されてつつあります。
そんな中で、何が何でもダメなのか?
その1つが「献血」だと思います。
◎献血の重要性
どのような時期にも関わらず、他に代替できない「輸血医療」に使用される輸血用血液は、日々安定的に必要とする現場へ届ける必要があります。
実は有効期間が短い輸血用血液。
(全血製剤で21日間、血小板は4日間)
この血液を必要とされる患者さんの生命を守るためにも、「輸血用血液」の在庫量を適切な水準で維持していくことが極めて重要となっているようです。
1952年、日本でも「日本赤十字社」血液銀行東京業務所が開設され、血液事業がスタートしました。
それから68年間、様々な体制が整理されて今の献血医療体制となっています。
◎新型コロナウイルス感染症さなかで
過去にも感染症対策で、献血が危ぶまれる時期がありました。
しかしながら、現在のこのような非常事態においても、むしろ、現代の医療が成り立たないことのないようにしなければなりません。
不要不急の外出制限を設けている自治体も数多く、献血の採取量が3月から減少しています。
もし、採取量が減少し過ぎると、医療機関への安定的な輸血用血液の供給に支障を来す恐れがあります。
「献血」は、医療的に必要で重要なことから、不要不急には当たりません。
各地域の献血ルーム、献血バスが全国都道府県にあり、三密を避けることから予約することも可能です。
◎献血の必要性を実体験から
以下、僕の尊敬するマラソン&トレイルランナー西村広和さんが、切実に伝える「献血がなぜ必要か」の投稿を紹介させていただきます。
※マラソンベスト:2時間29分、トレイルレース:信越五岳、伊豆トレイルなど含めて関西圏を中心にあらゆる大会で優勝している実績もあるランナーです
西村さんが怪我して出血したこと、5月8日の世界赤十字デーで献血をして、その必要性を救急現場の立場からも語られていました。
(以下引用、原文ママ)
自分の血液量って知ってますか?体重の1/13と言われており、僕ならちょうど5000ml…今はもうちょい多いか😅
さらに骨折したときの出血量って知ってますか?ざっくりですが、上腕骨骨折で350ml、大腿骨骨折で1000ml、骨盤骨折なら2000ml以上と言われています。これらは見えない出血で、今回僕が経験した外に出た出血量なんて実は少量です。1つの目安でしかないですが、30cm四方の血痕で100mlの出血です。これは当然地面の状況によりもっと多い可能性はあります。過小評価しては元も子もないですが、自分が怪我をして意識もしっかりしていて、目に見える出血量なんてほんの僅かです。怖いのは骨盤骨折や胸腹など体の中で出血した場合。人間は30%の血液を失うと命の危険があるらしい。僕なら1500ml。山での大怪我は致命的で、医療機関にたどり着くには相当時間がかかる。現場に着くには結構時間がかかるし、更に救急車まで搬送するのはもっとかかる。そしてそこから医療機関へ搬送する。山での緊急事態で、人間は本当に弱い。
しかし、輸血が必要なのは山での怪我に限ったことではない。この400mlを、自分や大事な人、全く知らない人に使ってもらえて、元気になってもらえたなら良いじゃない。輸血で必要な量を一人でまかなうことは出来ないけど、緊急事態宣言が解除され、人が動き出すと輸血が必要な事態も増えるんじゃないかな。今じゃない!と言われるかもしれないが、こんな時だから感染予防をして献血に行こうと思った。大会が中止となり、ハイパフォーマンスを維持できなくてもいいこの時期。動機はなんでもいい、とにかくこの400mlはとても大事なんだ。
以上
◎献血現場による感染症対策
献血される方が一時期に集中することによる密集や密接を避けるため、安全に献血を行えるように様々な対策が現場では行われています。
『日本赤十字社』HP
http://www.jrc.or.jp/
「血液センターの取り組み」
① 職員の健康チェックを徹底しています。
・日々の実施している健康チェックに加えて、出勤前・出勤時に体温測定を徹底しています。② 職員の手指消毒を徹底しています。
・職員の出勤時、献血会場入退室時。
・献血受付時、問診時、献血カード更新時。
③ 献血会場の良好な衛星環境を保持しています。
・献血会場にて使用する機材は日々、消毒液を用いて清掃しています。
・献血会場の入口で体温測定をするなど、良好な衛生環境に配慮した会場設営をしています。
「献血協力者へのお願い」
① はじめに、体温測定をお願いします。発熱が確認された方については、入場をご遠慮いただいています。
② 味覚、嗅覚の違和感を自覚する方には、念のため、入場をご遠慮いただいています。
③ 必ず、手指消毒をお願いします。
緊急事態宣言の中で、より医療現場は緊迫しています。
自分の身体も大事ですが、
「世界中で苦しんでいる、ひとりでも多くの人を、救いたい」
と言う日本赤十字社の想いと、大変な状況の医療従事者とその患者さんのために僕たちができることがあるのではないでしょうか?
ぜひ、お住まいの地域で献血が受けられる場所を検索して、献血に行ってみましょう。
『日本赤十字社』HP
http://www.jrc.or.jp/
スポンサーリンク
▶