コロナウイルスの微粒子エアロゾル拡散はどう起こるのか?
2020年04月21日マスクは当然ながら予防のためにするのではありませんね。
多少の、飛沫直接被害、湿度の確保、顔を触るのを防ぐ、という意味では効果はあるとは思いますが。
感染者が飛沫を飛ばさないための防衛策なのはご存じの通りです。
だから、これまで日本人は多くの人が予防のためにマスクをしている人が多い人種のため、外国人から怪訝な目で見られていました。
今全世界の人がマスクをして、マスク不足に陥って、
人の少ない河川敷での散歩やランニングする時すらもマスクやバフをしなければならない雰囲気がありますが、
みんながしているからとか、あの人が言っているからとか、しないとアカン空気だからとか、
そんな理由で、ちゃんとする意味を理解していないのに、ただしている人いませんか?
マスクをする意味を理論的に論理的に考えてみました。
◎マスクの穴とウイルスの大きさ
例えば、
「PM2.5」というのは、粒子の大きさが2.5マイクロm以下の粒子ですね。
(マイクロm=μm、通称ミクロン、1000μm=1㎜ミリ)
ちなみに髪の毛の太さが、100μm程度、
マスクの穴の大きさは、N95で5μm程度、
布だと10~100μm
そして、ウイルスの大きさは0.1μm以下です。
(10nm~100nm(ナノメートル)
この辺りは電子顕微鏡で見えるレベル。
僕の以前の専門の分野でした。
マスクの穴にウイルスが通過するのを例えて言うと、
西川貴教のホットリミットの網々の服に、BB弾を打つようなものです。
その点、医療用でも使われる不織のサージカルマスクは、不均一な繊維を何重にも重ねて、静電気で微粒子を付着させます。
N95で「0.3μmの粒子を95%キャッチできる」という定義。
5%はすり抜けます。0.1μm以下の粒子は通過します。
当然、マスクをしていたら安心、完全ではありませんね。
マスクは本来、ウイルスや菌の感染者が、咳やくしゃみで外部に飛沫拡散を防ぐためですよね。
マスクは予防のためにはならない、これは当然最近よく言われていることです。
ただし、飛沫は身体の体液と共にウイルスが絡まって体外へ拡散されます。
その飛沫物はマスクの穴より大きいため、拡散の防御もできるわけです。
感染のほとんどがマスクをしない状態での近い距離での会話、接触、飛沫物が付着した場所を手などに付着して、最終的に顔の穴から侵入。
だからこそ、三密が危険で、手洗いうがいマスクが基本なんです。
全てには論理的に正しい意味がある。
意味を考えなくやっているだけでは、効果がない場合もあります。
◎陽性と感染の違い
テレビでは明らかに、感染した、感染者数と報道しています。
医学的には、「陽性」と「感染」は、はっきりと定義が違います。
実際には、「陽性者」(テレビで言う感染者)は、4月以降も増加していましたが、
「感染発症者」は実際のところ、4月頭から減少し始めています。
これを伝えていない、知らない人は多い。
「陽性」とは特定のウイルスに対して、基準値以上のウイルス核酸が検出された状態。
その採取する場所は、鼻や喉の奥などの粘膜であって、これは医学的には体の「外部」なんです。
「感染」とは生物学的感染であって、細胞内にウイルスが侵入して、コピーを繰り返して増殖して初めて「感染した」と言えます。
だから、本当は細胞を採取して、そこに特定のウイルス核酸を検出して初めて感染と分かるのです。ただ、そんなことはやってられない。
当然、今はほとんどの人が、粘膜にウイルスが付着していて、「陽性」が出る確率は高いでしょうね。
陽性判定の基準値が低い気がします。
だから、本当は「陽性者数」=「感染者数」ではありません。
陽性が出る人と、実際に感染した人の発散するウイルス量にどれくらいの差があるかは定かではありませんが。大きな違いがあるでしょう。
生物学的感染はしていないし、ウイルス増殖はしていないんだから。
なので、「無症状感染者」(実際には陽性者なだけ)がいるんです。
◎微粒子の拡散
ようやく、本題です。
僕はあえて、結論を先に書きませんw
ここまでちゃんと読める人に向けて書いていますので。
この分野はガスとか粒子とか拡散とか、僕がやっていた、ある意味専門分野でもあるので、かみ砕いて事実のみ説明します。それでも難しいと思いますが。
例えば、花粉は雨上がりの晴れた気温が上がる日に空気中に拡散しやすいと言われます。
オゾンO3もです。これは僕が実際にデータを取っていたので立証しています。
花粉は空気中で単純に風で飛ばされるわけではないんです。
植物の水分と空気中の水分のバランスで、日光が当たって温度が上がると、花粉は水蒸気を伴って発散します。
そして、水蒸気から水滴になって花粉に付くけど、この時に気化熱が発生して花粉に含まれる空気が軽くなり熱気球のようにフワフワ漂います。
簡単に言ったら、いろんなバランスが成り立って空気中を飛ぶんです。
◎ウイルスのエアロゾル拡散は
それはウイルスも一緒。
水分が多い飛沫は、当然空気より重いので地面に落ちます。
だから地面底、靴裏こそ危険地帯。
靴がウイルスを運んでいる説もあります。
日本人は玄関で靴を脱ぎ、欧米は部屋に履いて持ち込む。
しかし中には、水分の少ないウイルスが存在し、これが絶妙なバランスで空気中を浮遊する場合があります。
これが、いわゆる「エアロゾル」ってやつですね。
「ゲル」は、簡単に言うと個体のような液体粒子で、「ゾル」は気体のような液体粒子のことです。
ウイルスは空気感染しないけど、花粉のように漂っている場合があるんですね。
結核菌は空気感染すると言われていますが、菌なので含まれた極微小な水分と共に空気と一緒に存在しています。
寒い時に暖かい息を吐くと水の微粒子は白い息として浮きますよね。
水滴だけの10μm以下になると、条件が整えば空気中に拡散するわけなんです。
霧吹きとか加湿器とか。小さい水滴を発生させているんですよ。
イメージしやすいのは、寒い時に吐いた息とか、タバコを吸った時の吐いたタバコ煙粒子などの拡散ですね
大気に漂っているので、喫煙所などの吸引孔があればある意味安全かもしれませんが。
飛沫は水だけじゃなくて重いんで、すぐ地面に落ちます。
でも、たまに小さい水だけのやつもいるんです。
それがエアロゾルってやつですね。
それも、空気中の水分(水蒸気量=湿度)が多いとそれに引っ付いて落ちます。
だから、密閉された換気のされていない、乾燥した密室ではその中で漂うんですよね。
逆に言うとですよ、換気すればすぐに拡散するし、加湿すればすぐに落ちます。
だから、今は物凄く対策してるでしょう。
でも、冬の寒くて乾燥しているのに、暖房とかで温めてさらに乾燥して換気せず密閉してると、めっちゃめちゃ室内に漂っているわけですよ。どっかの豪華客船やライブハウスの室内みたいにね。。。
夏でも密閉した部屋でエアコンで室温を下げて乾燥させています。だから夏風邪になるわけです。夏も気を付けないといけないかもしれません。
◎屋外での拡散度は安全レベルなのか
じゃあ、屋外って、解放されているわけですよね。
毒性ガスとか排ガスとかって、密室で漏れたら濃度が高くなるけど、解放された空間で漏れても濃度はあっという間に低くなるんですね。
だから、実はそういうガスは空気中の高いとこに拡散させて捨てるのです。まぁ、僕らもやってました。この排気は認められています。
だから、屋外でウイルスが拡散しても、ほとんどは当然飛沫で地面に落ちて、エアロゾルがあったとしても一瞬にして空気中に拡散するんですよ。拡散の理論とか知ってたら当然のことですが。
例えば、前を走る人から出る「飛沫の拡散粒子」が後ろの人にかかる様子が描かれた絵(グラフィック)とか見たことありませんか?
あれ見て、「外で走るのも危険!」って単純に思った人は、騙されやすい、洗脳されやすい人です。ちゃんと前提とその理由と特例の場合を考えましょう。
あれには前提があり、健康状態の人の通常の唾液の飛沫の場合です。ウイルスじゃないですよ。どこにもそんなこと書いてませんよね?
実験ですからね、新型コロナ重症発症者を走らせるなんてことはできないでしょう。
もし、ウイルスがあれほど飛ぶのであれば、重度の感染発症者が大きな咳をして大量のウイルス飛沫を拡散した場合の瞬間のみでしょう。
無症状陽性者がそこまで発散しないでしょうし、しても一瞬で発散します。
当然ながら、咳が出たり、花粉症でくしゃみが止まらないとか、微熱があったりして体調不良で走ることはもちろん、そう言う人は外でマスク無しで出歩く人は当然いないでしょう。
ちゃんと色々考えていくと分かる話です。
マスクやバフをずっとして走って、息苦しいとか蒸れ蒸れになるとかしんどいとか、
いや、そこまでなるのが嫌なら無理に走らなければいいだけだし、
人の少ない時間や場所を選んで、人を見つけた時にすれ違う時にだけ、バフなどを鼻と口に上げたらいいんじゃないですか。
あの人はマスクもバフもしていなかったとか、している人少なかったとか、知らない人なのに揶揄してどうなるものなのか。
人の多い通りや場所をマスクもバフもなしに走り抜ける人はどうかと思いますが。
今の現状では、人を不快にさせる可能性もあるので、マナーやエチケットとしてマスクやバフをするのは良いことだと思います♪
単発的な条件の情報を単純に鵜呑みしないことですね。
あとは要はちゃんと分かった上で考えて対策、行動することです。
もはや確率の問題です。
いかに確率の高いことを避け、いかに確率を下げるか。
自粛はだからこそ大切なんだと思います。
それが大事だと僕は思います。
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