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【鉄平塾】トレイルランニング走り方教室と健康法の学びブログ

〜運動と健康の理論的な研究~

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東京オリンピックのマラソンの開催地に関する経緯と想い

2019年11月14日
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『マラソングランドチャンピオンシップ』


誰もがこの方式に納得し、誰もが最後の新国立競技場が見えたゴール前で、来年の東京オリンピックはこのトラックでゴールだ!と思ったはず。

そして、2020年2月17日に、3月1日に行われる東京マラソンにおける一般ランナーの参加が取り止められ、エリート選手だけの出走に限られましたね。

それは、あの時、熱い争いを繰り広げていた中村選手、服部選手、大迫選手もそれを思い浮かべて、最後のラストスパートに選手生命を全力を賭けて走り抜けたはず。

 

それがある日突然、新国立競技場がゴールではなくなったのだ…

日本人にとってはこれほどまでの大きな落胆は無いでしょう。

 

もし、これが他の国として、イギリスだったらロンドンではなく北アイルランドのベルファスト、
アメリカだったら、ワシントンではなくシアトルで、そんなくらいの解離があるかもしれないのです。

 

確かに札幌は冬季オリンピックを開催したし、北海道マラソンの歴史も長く、世界的にも有名な都市ではあります。

しかし、マラソンと言う競技の性質上、代替えと言うのはもはや全く異なるレースとなるのです。

◎日本陸上競技連盟が練りに練ったMGCの意義

つい最近、卓球世界大会が東京体育館で行われました。

もちろん会場の大きさや雰囲気も異なりますが、言ってしまえば戦う場は卓球台1つ、どこでやろうとそこまで大きく変わりはないと思うのです。

いやいや、場所が変わればいろいろ変わるよと言う意見もありますが、それはマラソンの方が影響がもっと大きいことになります。
移動とか、施設とか、周辺環境とか、応援とかですよね。

 

例えばこの前、行なわれたラグビーワールドカップ。

サッカーもそうですが、これは国を舞台の一つとして、国内の各競技場で同時多発的に開催されます。
これも一つの魅力ですし、それが前提として開催されているわけです。

 

しかし、オリンピックは国だけではなく、1つの『都市』をメインとして定義され開催されます。

だから誘致には、各スポーツの競技場や周辺施設、そしてメイン競技場の存在が絶対不可欠です。

 

だからこそ、東京開催でのマラソンコースも非常に大きな意味を持っていたのではないかと思われます。

東京でのマラソンコースは前身の東京国際マラソンから、一新して2007年に「東京マラソン」をスタートさせました。

ワールドマラソンメジャーズにも加盟し、世界的にも有名な大規模な大会となっており、開催実績も10年以上あります。

実際に東京マラソンでの経験は、東京オリンピック構想や誘致のアピールも兼ねていたようです。

 

東京オリンピックの代表を決めるプロジェクトも東京コースを想定した上で一発選考の方式で注目を浴びました。

あのMGCを見たことがある人には分かると思うんですが、スタート位置は神宮外苑のいちょう並木の道路でした。

これは新国立競技場が建設中だから仕方なくの配慮で、ゴールも同じ地点となっていました。

しかし、本番では新国立競技場のトラックをスタート、ゴールとするコースが既に考えられてきました。

 

オリンピックのマラソンを見た人は、ご存じだと思いますが、ロンドンは別としてメイン競技場のトラックのゴール地点がマラソンのゴールであることがほとんどでした。

そして、東京オリンピックは熱い8月に行なわれることも分かっていたから、路面や温度を冷やす設備の対策や給水や練習で対処しようと努力をしていました。

MGCも日本のトップマラソン大会としては異例の残暑が残る9月に行なわれ、そのサバイバルレース模様が、見る人々を興奮の渦に巻き込みました。

 

室内競技の卓球や水泳、体操などはどこで開催されようが、ほぼ一定の環境になり、環境に結果が左右されることはありません。

しかし、野球やサッカーは当然のことながら、マラソンも環境が結果に左右することを選手自身が強く意識しています。

 

あの川内選手は熱くなるからとMGCを辞退したり、設楽選手は熱さでは自慢のハイペースで押し切れませんでした。

このMGCが最初から札幌で開催されていたら…

それくらいの大きなことなんだと思います。

 

◎アスリートファーストとは

今回一番の論点になったのはこの点でしょう。

アスリートにとって一番優先すべきこととはなんなんでしょう?

それは「一番優先すべき」と言う外部からの目と、「一番優先したい」と言う選手からの目と全然違うのだと思います。

今回のことを決めたのは、東京にそんな来たことも無い、マラソンを走ったことも無い人たちが、机上の空論で決めてしまったのですね。

ちなみに、IOC会長のバッハ氏はドイツの人で、フェイシングで団体金メダルを取った選手の一因だったみたいですね。

 

選手としては「我々はどんな場所になろうとも、ただ決まったコースで全力を出して走るだけです」と、公的には当然いうしかないわけですが、

内心は、「ちょ~待てよ~、ここでめっちゃ練習して、熱さも我慢して、最後のあの坂勝負を賭けてたのに~」ってのが本音でしょうね。
思ってても絶対言えない空気。それすらある。アスリートファストの言葉で掲げられた背景では…

観戦者だって、東京オリンピックのチケットがなかなか当たらない中、マラソンなら近くで見れるぞと思っていた人も多いでしょう。

そもそも、もはやオリンピックのマラソンは特別で、夏季に行なわれるが故、他の競技とは違ってタイムも求められないしサバイバルレースになるのが前提でした。

ドーハの世界陸上マラソンではリタイア者が続出して選手が危険な目にあったのは事実です。

しかしその中でも日本選手は走り切り、そしてメダルを獲得した選手が勝者でした。

スポーツとはこういうもので、決して昔の日本のような、水を飲むなとか、倒れるまで走れ、とは違っていて、厳しい条件の中でも分析してしっかり対策して本番に挑み、その中で最大限の結果を出す。

それが競技をする者にも、それを観戦する者にも素晴らしい感動が生まれるのではないだろうか。
僕もちなみに暑さに強く夏のレースこそ対策して走れるから好成績を残せたりもする。

マラソンなんて、ただひたすら長い距離もしんどいのに走り続けて何の意味があるのか?とすら感じる人も多いだろう。

それを言ってしまえば、ただ殴り合い相手と自分を痛みつけるボクシングなんて存在しない。

 

スポーツとは歴史があって、前提があって、ルールがあって、その中で自分が見出して全力で挑むからこそ、やるものも見るものも魅了するのではないだろうか。

アスリートファーストとは、「選手が本気で戦える納得のいく舞台」を用意することだと思う。

選手にとっては、モチベーションこそ最大のスポーツをやる意義なのです!

札幌は「妥協」でしかない。

世界一の大会が日本で行われ、各国素晴らし-ランナーが集まる中で日本代表として日本で走ることは確かだ。

しかし、この東京オリンピック代表選考の熱い戦いをこれまで4年ほど、彼らが大学生のころから見てきて、選手の想いは1つ。

 

「東京と言う舞台で」日本代表として世界と走りたい、だと思います。

◎決まった以上その場で全力を出すのもアスリート

この議論は永遠に収束しません。

最高の舞台だからと言って、東京でやったら選手も観客も無理するとバタバタ倒れて最悪の事態になる、とか

東京都が使った暑熱対策の数百億を水害対策に浸かったらどれだけ、都民は助かったかとか言われるかもしれない。

 

しかし、結果的に札幌に決まってしまった。

ご存じのとおり、札幌でも8月は暑い。
7月に行なわれる札幌マラソンも特異的なマラソン大会だ。

コースも問題がありそうだったので、単調で日影の全くない新川通はカットされ、同じコースを2周する周回コースになりましたね。

放映やスケジュール、ホテルや現地の応援、そしてスポンサーの問題。東京都は絶対的に違うのだ。

 

「マラソン走っている時に何を考えてるのですか?」と聞かれるランナーにとっては愚問だが、札幌で走る日本代表選手は必ず考えるだろう。

「やっぱり東京で走りたかったな…」

 

それは外国から来るランナーも一緒じゃないですかね。

でも戦いは札幌の舞台で決められた以上、アスリートはそこで全力で走るしかないのですね。

 

決まったものは仕方がないものとしても、選手としてはどこまでかは分かりませんが、僕としては東京オリンピックのマラソン熱は半分以下に落ちてしまいました。

東京オリンピック、マラソンだけではないですけどね、いろいろ楽しみたいし、その時はまた様々な記事を書きたいと思います

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