サッカーワールドカップ2022ドイツ戦inカタールの鉄平塾的総評
2022年11月24日日本がワールドカップで過去の優勝国に勝ったのも、逆転勝ちも初めてのようです!
それだけ凄いことを世界で成し遂げた日本のサッカー、ドイツ戦!!
瞬間最高視聴率は40.6%と日本国内でも盛り上がった試合でした☆
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◎先発メンバーは後半の入れ替えも想定しての布陣だった
今の日本代表は過去のレジェンド的なスターであった、中田、中村、本田、などの絶対的エースがいないメンバーではありました。
ここ最近ドイツで活躍する鎌田や若い久保、中堅的立場の南野などもいますが、まだ絶対的存在にはなっていない中、ドイツでプレーしたことがある選手が半推移以上スタメンに選ばれ、相手のプレースタイルを把握している利点はピッチ上で有利に働くと期待されて前半が始まりました。
日本は4バックで1トップの主戦上のフォーメーションである4-2-3-1
一方ドイツは、ドイツで絶対的王者のバイエルン・ミュンヘンの選手を半分ほど先発させ、その監督もした経験のあるフリック監督。
ドイツはワールドカップのために、国内リーグを厚くしているという戦術もあります。
国の代表が同国のリーグに選手がいる(いわゆる国内リーグ)数としてはドイツは圧倒的数字です。
その中でも、圧倒的存在のキーパーであるノイヤー、そして、絶対的エースのミュラーとベテランがドイツを支えます。
左サイドハーフには「ドイツの至宝」19歳のムシアラ。
さらには中盤にはニャブリ、キミッヒといて、ラウム、リュディガーと言う強くて速いディフェンダーもいるし、上げたらキリがないほど世界でも最強クラスのメンバー
フォーメーションは基本的に日本と同じ4バックの4-2-3-1と見られていました。
この、両者のフォーメーションと、後半の日本の戦術変更がキーポイントになります。
日本は怪我人も多くて心配されましたが、現状最適なコンディションと実力も兼ね備えたベストメンバーで挑んでいきました。
1年前までは大迫、堂安、南野、富安と言った絶対的なレギュラーもいましたが、前田、伊藤、鎌田、板倉と新しい選手がここ1年で頭角を現し、レギュラーを奪いました。
いずれもスピードとパスセンスに加えて高さも兼ね備えた選手ですね。
前半始まって早々の8分にいきなり、この鎌田のパスカットから右の伊藤へ流し、中央に飛び込んだ前田が強烈なゴール!
とてもスピード感ある展開と攻撃でしたが、速すぎたのとパスタイミングが1歩遅れたことで、前田が飛び出し過ぎてオフサイドになってしまいました。
◎ドイツの左サイドトップに苦戦する前半戦
これ以外の日本の攻撃としては、なかなか決定的なモノは無く、逆に完全にドイツにボールを支配され、特にドイツの左サイドから攻撃されまくりました。
ドイツは4バックと思いきや、左サイドバックのラウムが非常に高い位置を取り、サイドハーフかウイングかと言うほど日本の右サイドを突いてきました!
これに苦戦したのが、右の攻撃的な伊藤で自陣深くまで対応せざるを得ず、攻撃にもなかなか入れませんでした。
さらに、2枚のセンターバックの吉田と板倉は相手のボールを持った選手をマークやアタックすると言うより、基本的にはゾーンで守るため、相手のサイドバックの選手で仕掛けられた時に、当たりに行けませんでした。
(当たりに行くと、相手のFWやトップ下の選手がフリーになりパスをされて決定的な展開になるので)
この流れで完全にフリーのラウムに左サイドをペナルティーエリアまで1本のパスで突破され、折り返しを上げるところを権田がファールを犯してしまい痛恨のPK献上。。。
あっさり決められ、1-0となり、やっぱりかの雰囲気が立ち込めます。
サッカーでは格上相手に前半で1点を先制されたら難しい試合になります。
相手は余裕を持って攻撃できるし、守備にも正確に対応できるようになります。
日本は逆に焦るし、ボールも支配されているので守備が後手後手になり、前半は完全にドイツの試合でした。
なんとか耐えたのは、権田のスーパーセーブと、地味に聞いている遠藤がかなり良いところを止めていたのと、吉田も板倉も何度もブロックしていました。
決定的なのは、前半最後のアディショナルタイムで、ギリギリなところを抜けられゴールを奪われたところでした。
日韓ワールドカップでは、主審の判定が絶対的な雰囲気あって、疑惑の判定があり、判定は覆らないことが多かったです。
でも、今回は正確のビデオカメラとAIを駆使した映像技術の判定により、審判はそちらを優先的に見るようになりました。つまり審判の判定絶対ではなくなりました。
2-0と数字はなっていて、決まったかのような雰囲気になっていましたが、VARで判定が覆り、オフサイドのノーゴールになり、何とか前半を1-0でしのぎ切りました!
前半の支配率は72%、シュート数が13本と1本
圧倒的差がデータでも見て取れます。
◎後半の日本の段階的な戦術と選手起用
前半の苦戦した点は、ドイツの4バックであろう左サイドバックが高い位置で攻めてきたこと。
これによって、相手は1人多いような状態で、日本はマークが上手くできませんでした。
それを日本はハーフタイムで中何の攻撃的なMFの久保を変え、DFの富安を入れます。
この意図は、MFを減らし、DFをセンターバック3人のスリーバックとして、さらにサイドバックを長友と酒井で固めること。
感覚的には5-2-2-1的な感じですが、攻撃時にはサイドバックの二人が上がって3-4-2-1と変形になります。
これで、ディフェンダーは再度の選手が相手の左サイドバックにマークすることができ、中にもボランチ2枚とセンターバック3枚いるのでフリーになる選手を作らせません。
それでもドイツは今度は中央から攻め立て、ミュラー、ニャブリ、ムシアラで次々に波状攻撃を仕掛けます。
スペインのような綺麗さはないものの、ドイツの個の力は強く突破されてひやひやする場面が続きました。
後半12分に森安監督が動きます。
左サイドバックの長友を変え、攻撃的な三笘を投入!
これは相手の左サイドバックのラウムのような脅威をドイツにも与えられる力があります。
それは3バックだからこそ行かせる戦術なのですね。
そしてさらに、ワントップの前田に変えて浅野を投入。
両者ともにスピードはありますが、後半に入れることでよりスピードが生きる戦術に。
このフォーメーション変更によって、右の伊藤も攻撃参加しやすくなり、浅野とのスピードを合わせて攻撃も聞いてきました。
一方、ドイツは前半活躍していたPKを決めたギュンドアンと絶対的エースのミュラーを交代させます。
これでドイツの脅威が少し落ちたのも功を奏したかもしれません。
◎堂安と南野を投入し逆転へのシナリオが完成
ドイツの連続的な波状攻撃にまた会い、幾ととなく権田がスーパーセーブを決めてゴールを割らせません!
権田は結局、この試合で合計8本のセーブをしました。
その中には完全に決まっていてもおかしくなかったシュートも含まれます。
これで日本が逆転への布石を投入していきます。
後半26分にボランチである田中に変えて攻撃的な堂安を入れます。
堂安はトップ下の鎌田の位置に入るが、どちらかと言うと浅野のシャドーストライカー的な位置に。
代わりに、鎌田はドイツのフランクフルトでもやっているボランチの位置に変わります。
さらには、右サイドバックの酒井に変えてこれまた攻撃的な南野を投入!酒井が足を痛めていたのもあり、その変更でもありましたが。
南野がトップ下的な位置に入り、左には三苫、真ん中に朝の道安、そして右には伊藤と超攻撃的な選手を5枚並べ5トップ的な戦術に!!
これが逆転へのキックオフとなりました。
その直後に、左サイドから三笘が得意のカットインを仕掛けて、内へ切れ込むと見せかけてペナルティエリア左にスルーパスを抜け出した南野へ。エリア内でワンタッチで中央にシュート気味に強いボールで浅野に折り返します。
それをノイアーに横っ跳びで当てられて中に弾かれますが、堂安が詰め込んでおりこぼれ球に反応。冷静に左足で押し込んで、値千金の同点弾を挙げました!!
更にはその8分後の後半38分、自陣で得たFKから板倉が状況を把握して、動き出していた浅野へロングボールを前線へ送ります。
ギリギリオフサイドラインを抜けて、ファーストタッチでうまく前を向き、空いてもオフサイド華的な雰囲気で緩んだ中、スピードを生かしてペナルティエリア右に進入すると、迷いなく右足を振り抜きました。
ニアギリギリで角度はなかったが、ノイアーの手が出せない右肩上を撃ち抜いて逆転に成功!!!
その後のドイツのパワープレーの波状攻撃を、耐え忍んできたディフェンス人が足を何度も攣りながら、交代枠も使い果たした中で、全員が一丸となって守り切りました。
そこには2-2の同点になっても仕方がないと言う想いではなく、何が何でも勝つ!と言う闘志がピッチには宿って熱くなりましたね。
それにしてもアディショナルタイムの7分は長すぎましたが、試合終了のホイッスルが場内に響き渡り、日本のベンチからダッシュでみんなピッチへ駆け出し、抱き合って喜び合う☆
ドイツに勝ちました、しかも2-1の逆転勝ち!
この瞬間、僕は今まで生きてきて、この試合をリアルタイムで見れて良かったなと、心から思いがこみ上げ涙してしまいました。
サッカーで、テレビのスポーツを見て勝って泣いたのは初めてかも。
このグループE を日本がもし2位で通過した場合、決勝トーナメントではグループFの1位と当たります。
つまり、このグループのシードである1位通過が濃厚なのはベルギーなのですね。
4年前のベスト8をかけたロシア大会の2-0から3点入れられて逆転された悪夢のリベンジ戦となりますね☆
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