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鉄平塾~トレイルランニング走り方教室と健康法の学びブログ

〜運動と健康の理論的な研究~

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レースペース戦略の管理(マラソンやトレランでのマネジメント力)

2021年03月12日
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マラソンにおいて、自分の実力のペースを把握して、そのペースを刻んで進み、最後は出し切って粘り切ることがもはや定石です。最近はシューズの効果もあり、後半まで脚を残せて、ネガティブスプリットも増えていますね☆
※2024年1月更新
 
駅伝やペースの変わりやすいトラック競技ですと、最初から突っ込んだり、序盤は周りに合わせてスローになったりしますが。記録を目指した5キロや10キロ、ロードマラソンは一定ペースで走るのが良い結果をもたらします。
 
つまり、基本的に最初から最後までイーブンで、最後は粘り切るのが結果的には一番いいタイムが出るのです。
 
では、なぜそうなるのか、エネルギーと心拍数の理論的に解説したいと思います☆
 
 

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◎序盤ハイペースはなぜよくないのか

 
駅伝では前との差を一気に詰める、また後ろとの差を引き離すため、たすきをもらったスタート直後から1キロ2:50を切るペースで突っ込んで入ったりします。
 
そうすることで、前と並ぶことや、後ろと離すことで、心理的優位な立場に立つことが出来るからです。
 
 
しかし、これは実力の差が優位に立ってないと、ただ潰れるだけの可能性もありますね。
 
例えば、2位のチームが1位を追いかけるには、たすきをもらったスタート後に差を一気に詰めたいから突っ込みます。
 
でも、1位に余裕があって実力者が走っていれば、イーブンペースのまま入ってもそのまま後ろが詰めてきたとしても、また引き離せるわけです。
 
逆も最近の箱根駅伝でありました。1位の選手が逃げるため突っ込んで走って、2位の選手はイーブンを保っていたら、先頭を走っていた選手がつぶれて、2位の選手は後半上げて抜かして優勝しました!
 

前半突っ込むと後半つぶれることが多い

 
 
結局、前半から突っ込むと駅伝でも後半にばてて、スピードが落ちてもがいている選手をよく見かけますね。
 
タイムではなく、勝負を掛けたトラック競技やマラソンでは、逆にハイペースになることが無く、前半はスローペースになることが多いです。
 
そうなると、前半は温存と牽制のしあいで、後半のスピード勝負になったりします。
 
 
これは競馬、競輪でもよくありますよね。
 
逆にハイペースになったら、実力のない人は後半脱落し、そのペースに耐えら得る実力がある選手が最後まで出し切れ、有利になるのです。
 
序盤ハイペースは最初から出し切るため、精神的にも肉体的にもキツいのですね。
 
では、なぜハイペースは後半つぶれるのか?
 
 

◎序盤ハイペースのエネルギー理論

 
序盤ハイペースですと、まず一気に心拍数が上がります。
準備運動やアップをしてないものならなおさら、、、
 
下記のは僕が六甲縦走をした時の心拍数の推移です。
(アップダウンあるトレランなので、心拍数も上げ下げがあります)
 
 
これでも、序盤は抑えめに入って中盤から上げていることがよく分かります。
 
 
心拍数は1分間の心臓が脈打つ数ですが、通常は平均的に60前後です。
それが、運動の強度が上がるごとに、心拍数も増えていきます。
 
最大値は、基本的に(220-年齢)とも言われています。
この結果のように、
・日常生活時(安静時)、ウォーキングレベル(低強度)、LSD~ジョグレベル(脂肪燃焼)
・マラソンペースレベル(有酸素運動)、ハーフマラソンペース145~155=LT値(乳酸閾値)、
・10キロペース(無酸素運動)、ダッシュレベル(X系スポーツ)、
と分かれてきます。
 
 

心拍数が上がると何が起こるか?

 
当然、使うエネルギーの原料は脂質から、段々と糖質に大きく傾きます。
 
そして、気合も充分なことからアドレナリンも出て、ガッツで勝負しているので、無駄な筋力やエネルギーを序盤から大きく消費してしまいます。
 
 
人に蓄えられる糖質エネルギー(グリコーゲン)は限られています。最大でも1500kcalと言われています。
マラソンペースで50キロの人が30キロ走れば、使用するエネルギーの概算公式は、
 
体重×距離=50×30=1500kcal
となりますので、これが体内のグリコーゲンを使い果たしてしまうので、30キロの壁と言われている所以です。
 
普段はLT値を超えないと糖質優位にはなりませんが、序盤からのハイペースは簡単に心拍数が上がり、糖質優位に傾いてしまします。
 
これがレース前半での貯金を一気に使ってしまい、後半失速の原因となってしまうのですね。
 
 
前半、オーバーペースで後半に糖質が枯渇するとどうなるのか?
 
糖質が枯渇すると、脂肪さえもエネルギーに出来ません。
 
後は筋肉を分解して、アミノ酸から糖新生によってエネルギーを得るしかないのです。
 

筋肉分解が始まり脚がボロボロになる

 
 
これが後半で失速する原因で、筋肉が重くなり、使い続けるとボロボロになります。
 
このような状況では、直ぐに糖質やアミノ酸を補給をしないと、レース後の疲労感や筋肉痛は相当なものになって長い間、残ってしまいます。
 
だからこそ、途中の糖質追加補給やアミノ酸の補給が重要なんです。
そして、当然、レース後はどちらも枯渇しているので、すぐに糖質とアミノ酸の補給をすることで、その後の疲労回復を早めます。これが30分以内のゴールデンタイムと言うやつです☆
 
 
レース中だけではなく、レース前の調整などの理論的な話はこちら

フィットネスファティーグ理論は超回復モデルを使った理想のトレーニング
 
 

◎オーバーペースと理想のイーブンペースの違い

 
下に、2019年東京マラソンの佐藤悠基選手と今井正人選手の5キロごとのラップと、そこから換算した時速の推移です。
 
※Excelで自作
 
2人とも箱根駅伝を見ていた人にはあまりにも有名な選手ですが、マラソンに挑んでから苦労している二人です。
 
佐藤選手はスピードはありますが、今井選手はスタミナや馬力があります。
2人の総合的な実力は、僕の指標では同じレベルだと思います。
 
それが、今回佐藤選手は1キロ3分以内で、5キロを15分を切るラップで、前半から突っ込んでハイペースで入りました。
 
 
一方、今井選手は、自分の実力を把握して序盤から1キロ3分ちょっとの5キロを15分数十秒ペースで、安定した推移で進みました。
 
2人とも、やはりマラソンの後半からと気象条件の悪さから、ペースが次第に落ちていきます。
 
しかし、佐藤選手は自分の実力以上の前半ハイペースで入ったため、30キロからのペースはガタ落ちです。
 
 
一方、序盤はイーブンペースで進めた今井選手は30キロからはもちろんキツくて落ちていますが、その落ち込みを最小限にとどめています。
 
結果的には二人のゴールのタイムは大きく差が開いてしまいました。
佐藤選手は2:15:07
今井選手は2:10:30
 
 
佐藤選手はおそらく、前半の糖質の消費し過ぎで、後半完全に枯渇してしまったのでしょう。
 
走りを見ても、身体が固く脚が上がっていませんでした。
 
 
もし仮に、今井選手が佐藤選手のようなハイペースで突っ込むと同じように後半落ち込むでしょう。
 
マラソンとはそういうものです。

自分の実力より速いペースで走り続けることは絶対に出来ません

身体やエネルギー理論でそうなっているのです。
つまり、後半つぶれるということは、前半のそのペースでは実力的に無理だった、と言うことがハッキリしたということです。
 
マラソンにまぐれはないのです。
 
前半いけると思ったペースでも後半潰れてペースを保てなくなったのなら、そのペースでマラソンを走る実力はまだないということです。だからこそ、自分のLT値を底上げする練習がさらに必要だと分かったということにもなりますね。
 
 
グラフから見ると分かるように、今井選手は佐藤選手より前半抑えていますが、後半の落ち込みを小さくすることで、それが大きくなりすぎた佐藤選手より、結果的にゴールタイムは早くなっています。
 
前半突っ込んで、その貯金をどれだけ得ても、後半で失速してしまい大きな落ち込みがあればせっかくの貯金はパーで、あとは借金が膨らむばかりです。
 
逆に言えば、今井選手は前半抑えていたとしても、後半の佐藤選手の落ち込みよりも速いペースで走れているのです。
 

イーブンペースを上回るネガティブスプリットは難しい

 
ただし、イーブンペースもネガティブスプリットも難しいもので、マラソンで心拍数の推移を測ったことある人は分かると思うのですが、同じイーブンペースなのに後半の方が徐々に心拍数は右肩上がりになります。
 
これは時間とともに、エネルギーが枯渇してきて、筋肉疲労も積み重なってくるから、それ以上に心拍を上げないと同じスピードを維持できないと言うことです。
 
だから、前半のキロ4:15はある程度余裕があるのに、後半の4:15は頑張っているつもりなのに同じペースなのはそのためです。
 
 
前半抑えていても、そこから後半更にペースを上げると言うのは、今までのペースで身体が慣れてしまったため、思った以上より強くスピードを上げないと実際には上がらないのです。
 
しかし、最近ではシューズの効果からか、前半での脚の疲労度を抑えたり、少ないエネルギーで速いスピードを保てるため、後半にエネルギーや脚を残すことができて、上げることができるようになっている選手が増えています。
 
 

◎トレランでのレースペース戦略は

 
ロードマラソンの場合、アップダウンは多少あるものの、そこまで1キロラップが30秒も変わるものではありません。
 
でも、トレランの場合、登りやくだり、走れるロードや林道とペースが大きく変わるため、速い時はキロ5分でも急登のなんかはキロ10分以上かかったりします。
 
だから、単純な1キロ何分と言うペース管理は難しくなってきます。
 
 
そこで、長い区間で見た平均ペースか、あるいは平均心拍数で、ペース(力の入れ具合)を判断して、コントロールしていきます。
 
 
 
トレランでも同じで、前半からハイペースで突っ込んだ場合と、前半は抑えて後半上げていって出し切る場合とどちらが、結果のゴールタイムが速くなるのか?
 
下は前半から突っ込んで、後半ばててきて、最後はハンガーノック、足が吊りまくりで何とか最後振り絞ってのボロボロゴールのグラフです。
 
 ※Excelで自作
青線が平均スピードの推移。
赤線は気力(10が最大とした時の頑張り度合)の推移です。
 
 
 
前半から気持ち的にもスピード的にも突っ込んでいきます!
 
登り下りの変化がるので、スピードの変化がありますが、気力は下りでも気が張って息つく暇ない感じで走り続けています。
 
もちろん、スタートからハイペースなので自分の実力以上に上位に行って走れているので、その高揚感もあります。
 

トレランではペースの落ちをラップで分かりにくい

 
それが、気持ちは頑張り続けているはずが、なぜか中盤からスピードが落ちてきています。
 
実際は、このスピードの落ちはロードではラップと言う指標があるので気づくのですが、トレランではそれが無いため気づきにくいのです。
 
同じぐらい頑張ってるからペースは変わらないはずだ、と思っていても、次第に後ろから抜かれ始めることがあります。
 
 
そして、前半で糖質を使い過ぎて、後半で枯渇してしまったら、ロードであるマラソンよりも山の中のトレランは辛いです。
 
糖質が枯渇すると、同じく筋肉分解が始まりますが、同時にミネラル不足による脚攣りやハンガーノックになり、動けなくなる危険性があります。
 
もちろん、補給などでその対策はしておくのは当然のことですが、山のトレランレースではそこまでなるまで前半から突っ込まないこと、実力以上に追い込まないことは大切です。
 
後半、落ち込んで後ろからどんどん抜かれるのは本当に辛いものです。
 
 

◎前半は抑えて、後半上げる戦略

 
トレランでも後半型が有利だと思います。
 
同じくトレランレースで、前半をゆっくり目に入って後半上げていった場合のスピードと気力の推移です。
 
 
スタート後は余力を持って、ウォーミングアップのつもりでゆっくり入ります。
 
もちろん、最初は上位グループに入ることは出来ず、やや遅いペースに挟まれることがあると思いますが、余裕を持って周りのペースに合わせて温存できます。
 
そして、下りでも気力を上げず、のんびり下ったり、途中で息抜き的に気力もスピードもいったん落として切り替えます
 
ずっと気を張って走り続けるのは本当に精神的にきついのです。
 
 
そして、中盤くらいから徐々にスイッチと気合を入れていき、ペースを徐々に上げていきます。
中盤くらいまでは糖質やパワーを使わない、省エネの走り方を心掛けるべきなんです☆
 
そうすることで、残り何キロでこれくらいの残りのスタミナの感覚ってわかっていれば、それを上手く配分して出し切る手前で調節しながらゴールに向かいます。
 
すると、後半では前半前にいた選手をどんどん拾いながら上げて行くことが出来ます。
 
これは、後半バテてどんどん抜かれるのとは真逆で、精神的にかなり有利になるのです。
 

前半抑えて入れば、後半は一気に飛ばして抜いて行ける

 
最終的には、前半で飛ばして後半ガタ落ちする時よりも、後半は上げているのでゴールタイムは結果的に早くなります。
 
僕のトレランのレース戦略はこういうイメージで走っています。
舞鶴トレラン32キロでは、最後尾からスタートして、結果的に2位まで上がりました。
 
 
マラソンもトレランも、区間タイムや前半のペースが速くて順位が上でも関係なく、最終的にゴールに到達した時間と、その時の順位なのです。総合的に考えなくてはいけません。
 
ここでもマラソンと同じように、いくら前半は抑えていて遅いといっても、前半飛ばして後半落ち込んでしまった時よりは、充分早く進めているのです。
 
だからトータルで考えると逆転できるのです。
 
 
エネルギー的にも前半の糖質消費を出来るだけ抑えて、脂質回路で走り、残しておいた糖質と、追加した糖質で最後は上げて走りきります。途中の糖質追加補給も重要です。
 
なので、筋肉分解が始まるくらいのところでゴールしてしまえるのです。
 
ゴール後の糖質とアミノ酸の補給をちゃんとすれば、レース後の疲労感や筋肉痛もそんなに残りません。
 
 
こういう風に、レース戦略において、ペースをコントロールすることはとても大切です。
 
そして、レース中の補給や、その後の補給もちゃんとすれば疲れが残らずに次の日から過ごせますね☆
 

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